免停は本当に6点から?違反点数が消える1年ルール・3か月特例と2点違反を3回した場合を解説

運転免許

運転免許の点数制度では、前歴がない人でも累積6点に達すると免許停止の基準に該当するため、「一時停止違反のような2点の違反を何度かしただけで簡単に免停になるのでは」と感じることがあります。

ただし、点数制度は単純に「過去3年間の違反点数を全部足し続ける」だけではありません。1年以上無事故・無違反で経過した場合の特例や、2年以上無事故・無違反だった人が軽微な違反をした後3か月無事故・無違反だった場合の特例、さらに軽微な違反だけで6点になった人を対象とする違反者講習があります。

そのため「6点=必ずすぐ30日間運転できなくなる」とも、「11か月おきに2点違反を3回すれば必ず6点になる」とも限りません。違反した日付だけでなく、それ以前の無事故・無違反期間や行政処分歴まで含めて考える必要があります。

免停の基準は前歴なしなら6点から

運転免許の点数は減点方式ではなく累積方式です。交通違反や交通事故に点数が付けられ、最後の違反等の日を基準として原則過去3年間の累積点数から行政処分が判断されます。警視庁もこの仕組みを公式に説明しています。[警視庁・点数計算の原則]

過去3年以内に停止・取消しなどの処分前歴がない人の場合、一般違反行為の累積点数が6~8点なら停止30日、9~11点なら60日、12~14点なら90日の基準となり、15点以上では取消しの対象になります。[警察庁・処分量定基準]

一方、過去に行政処分を受けた「前歴」がある場合は基準が厳しくなります。例えば前歴1回なら4点から停止処分の対象となるため、「誰でも6点までは大丈夫」という制度ではありません。

一時停止違反は2点なので3回なら計算上6点

道路標識で一時停止が指定された場所で停止しなかった「指定場所一時不停止等」の基礎点数は2点です。警視庁の交通違反点数一覧でも2点とされています。[警視庁・交通違反の点数一覧]

したがって、何の特例も適用されず、点数計算上すべて累積する状態なら、2点+2点+2点=6点となります。前歴がない人なら停止30日の基準に到達します。

ただし、ここからが重要です。違反から一定期間が経過したときの点数計算上の特例があるため、「3年以内に2点違反を3回した」という事実だけでは6点になるとは断定できません。

1年間無事故・無違反なら、それ以前の点数は次の違反に合算されない

点数制度では、前の違反と次の違反との間に1年以上の無事故・無違反・無処分期間があれば、それ以前の違反点数は新しい違反点数へ累積されません。警視庁はこれを「点数計算の優遇」として案内しています。[警視庁・点数計算の優遇]

例えば1月1日に一時停止違反2点を受け、その後翌年1月2日まで何も違反しなかったとします。その翌日にまた2点の違反をしても、前年の2点を加えて4点として扱うのではなく、新しい違反を起点とした計算になります。

よく「1年経てば点数が消える」と表現されますが、厳密には違反歴そのものが消滅するわけではありません。行政処分の累積点数を計算するときに、それ以前の点数を合算しないという意味です。免許更新時のゴールド免許判定などでは別の期間・基準が使われます。

「11か月ごとに2点を3回」ならどうなる?

例えば第1回を2024年1月1日、第2回を2024年12月1日、第3回を2025年11月1日とします。それぞれの間隔は約11か月なので、第1回から第2回の間にも、第2回から第3回の間にも1年間の無事故・無違反期間はありません。

この条件だけを見ると、1年間無事故・無違反の特例による区切りが入らないため、通常は2点+2点+2点=6点という計算になり得ます。第3回の時点で第1回は約22か月前なので、原則の過去3年間にも入っています。

しかし、第1回の違反をする前に2年以上無事故・無違反だったかどうかによって結果が変わる可能性があります。ここには別の「3か月特例」があるためです。

2年以上無事故・無違反なら「3か月特例」がある

違反前に2年以上、無事故・無違反・無処分だった人には、さらに有利なルールがあります。その人が1点、2点または3点の軽微な違反をし、その後3か月以上無事故・無違反で経過すると、その軽微な違反の点数は以後の累積点数に加算されません。

例えば2年以上無事故・無違反だった人が1月1日に一時停止違反で2点となり、その後4月1日まで無事故・無違反だったとします。この場合、その2点は後の違反との累積計算から外れる特例があります。

そのため先ほどの「11か月おきに2点を3回」という例でも、第1回より前に2年以上無事故・無違反だったなら、第1回後に3か月間違反していないため、第1回の2点が後の累積から外れる可能性があります。その場合、第3回時点で単純な6点にならないことがあります。11か月という間隔だけでは判断できない理由がここにあります。

軽微な違反だけで6点なら「違反者講習」という仕組みもある

さらに、前歴がない人が3点以下の軽微な違反を繰り返して累積6点になった場合には、「違反者講習」の対象になることがあります。これは通常の停止処分者講習とは別制度です。

2026年現在、警視庁は、基礎点数3点以下の軽微違反によって累積6点となり、過去3年以内に違反者講習や停止処分等の対象となっていないなど一定の条件を満たす人を違反者講習の対象としています。[警視庁・違反者講習]

この講習を所定の期間内に受講すれば、30日の免許停止処分は課されず、対象となった6点はその後の違反にも累積されず、処分前歴も付きません。つまり、一時停止違反2点を3回して6点になったとしても、条件を満たせば直ちに「30日間まったく運転できない人」になるわけではありません。

違反者講習を受けなければ免停になる

違反者講習の対象者には公安委員会から通知書が送られます。警視庁の場合、通知を受け取った翌日から1か月以内が受講期間とされています。

対象者が講習を受ければ停止30日の行政処分を回避できますが、正当な理由なく受講しなければ停止30日の処分を受けます。また、違反者講習の対象となるのはあくまで一定の条件を満たした「軽微違反の累積6点」のケースです。

例えば1回の違反だけで6点となる携帯電話使用等(交通の危険)などは、3点以下の軽微違反を重ねて6点になったケースとは違うため、同じ扱いではありません。警察庁は携帯電話使用等(交通の危険)の基礎点数を6点としています。[警察庁参照]

なぜ日常的に運転する人でも免停をあまり見かけないのか

日常的に車を使う人でも、1年間一度も交通違反で検挙されないこと自体は珍しいことではありません。「毎日運転する=毎年何度も点数が付く」という関係ではなく、運転頻度と違反点数は別問題です。

さらに、1年以上無事故・無違反なら以前の点数が合算されない仕組みや、2年以上無事故・無違反だった人への3か月特例があります。そのため、数年に1回程度の軽微な違反なら累積6点まで進まないケースが多くあります。

加えて、軽微な違反だけで初めて6点に到達した一定の人には違反者講習制度があります。こうした複数の仕組みがあるため、「6点という数字だけ見ると簡単そうなのに、身近には免停中の人があまりいない」という状況は矛盾していません。

点数を正確に知りたいなら運転記録証明書でも確認できる

過去に何度か違反しており、「現在の累積点数が自分では分からない」という場合は、記憶だけで計算しないほうが安全です。行政処分歴や違反日によって計算結果が変わるからです。

自動車安全運転センターでは、過去1年・3年・5年間の交通違反や交通事故、行政処分の記録を証明する「運転記録証明書」を発行しています。行政処分に近い可能性がある場合は、住所地を管轄する警察の運転免許担当部署へ確認する方法もあります。

特に「最後の違反から1年経ったか」「最初の軽微違反前に2年以上無事故・無違反だったか」「過去3年以内に停止処分や違反者講習があるか」は、6点到達時の扱いを判断するうえで重要です。

まとめ|11か月ごとの2点違反3回が必ず免停になるわけではない

前歴がない人は原則として累積6点から免許停止の基準に該当します。一時停止違反は2点なので、特例がなければ3回で6点です。また、違反と違反の間が11か月しかなければ「1年以上無事故・無違反」の区切りは成立しないため、単純なケースでは3回分が累積します。

ただし、第1回の違反以前に2年以上無事故・無違反だった場合には、軽微違反後3か月無事故・無違反でその点数を累積しない特例が適用される可能性があります。したがって「11か月×3回=必ず6点」と日付だけで判断することはできません。

さらに、3点以下の軽微な違反だけで初めて累積6点になり、所定の条件を満たす場合には違反者講習を受講することで30日の免許停止を回避でき、処分前歴も付きません。点数制度には単純な6点ラインだけでなく、1年特例・2年以上無違反後の3か月特例・違反者講習という仕組みがあることを知っておくと、実際の行政処分を正しく理解できます。

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