バイクのカスタム塗装で人気の高い火の玉カラーは、単純なオレンジや黒の塗り分けではなく、光の当たり方によって色の表情が変化する奥行きのある仕上がりが魅力です。
特に見る角度によって暗く見えたり、鮮やかに発色したりする塗装は、キャンディカラー特有の透け感によって作られています。この記事では、火の玉カラーのような深みのある塗装を作る基本的な考え方や、キャンディブラックを使った表現方法について解説します。
火の玉カラーが光によって違って見える理由
火の玉カラーの特徴は、下地の色と透明感のある塗料を重ねることで生まれる立体感です。通常のソリッドカラーは表面の色そのものが見えますが、キャンディ塗装では下地の反射が上層の透明カラーを通して見えるため、見る角度によって色味が変化します。
例えば、同じオレンジでも明るい場所では鮮やかな赤みのあるオレンジに見え、暗い場所では深い茶色や赤黒い色に見えることがあります。これは塗装表面の奥で光が反射しているためです。
昔からカスタムバイクやアメリカンバイクなどで使われるキャンディカラーは、この独特な奥行き感を出すために多層の塗装工程を必要とします。
火の玉カラーはオレンジの上にキャンディブラックを塗るだけではない
火の玉カラーのような仕上がりを作る場合、単純にオレンジを塗装して、その上からキャンディブラックを吹くだけでは同じ雰囲気にならないことが多いです。
一般的なキャンディ塗装では、まず下地となる色を作り、その上に透明感のあるカラーを重ねて色の深みを調整します。キャンディブラックの場合も、黒い塗料を厚く塗るのではなく、透け感を残しながら色味を変化させることが重要です。
例えば、オレンジの火の玉部分を残しながら黒の部分に深みを出したい場合は、黒のラインや境界部分の処理、クリア層の厚みなどによって全体の印象を調整します。
キャンディブラックで奥行きを出す塗装工程
キャンディブラックを使った表現では、一般的に以下のような工程で仕上げます。
| 工程 | 内容 |
|---|---|
| 下地処理 | 表面の傷や凹凸を整え、塗装面を均一にする |
| ベースカラー | オレンジやシルバーなど発色を決める色を塗る |
| キャンディカラー | 透明感のある色を重ねて深みを調整する |
| クリア塗装 | 光沢と保護膜を作る |
重要なのはキャンディブラックをどの程度重ねるかです。吹き付ける回数が多いほど暗くなりますが、厚くしすぎると下地の反射が弱くなり、キャンディ特有の透明感が失われます。
プロの塗装では、試し吹きをしながら色の濃さを調整することが多く、同じ塗料を使っても塗り方によって仕上がりが変わります。
光の当たり方で表情が変わる塗装にするポイント
見る角度によって色が変わる塗装を作るには、塗料の種類だけでなく、下地の選び方も重要です。
例えば、下地にメタリック系の色を使うと光の反射が強くなり、キャンディカラーを重ねたときにキラキラした奥行きが出ます。一方、ソリッド系の下地では落ち着いた深い色合いになります。
また、クリア塗装の厚みも見た目に影響します。クリア層がしっかりあることで表面に深さが生まれ、タンクやカウルを見る角度によって光沢感が変化します。
純正火の玉カラーに近づける場合の注意点
カワサキなどの純正火の玉カラーを再現したい場合は、単純な色番号だけでは完全な再現が難しい場合があります。純正カラーでも、ベースカラー、ラインの幅、クリアの質感など複数の要素で印象が決まるためです。
特に旧車の場合、経年劣化によって元の色が変化していることもあり、新品時のカラーと現在の車両の色が違う場合があります。
完全な純正再現を目指すなら、カラーサンプルや現車の状態を確認しながら調色できる塗装店へ依頼する方法が確実です。
まとめ
火の玉カラーのように光の当たり方で表情が変わる塗装は、単純にオレンジの上からキャンディブラックを吹くだけではなく、下地・透明カラー・クリア層を組み合わせて作られる奥行きのある塗装です。
キャンディブラックは黒くするための塗料というより、下地を透かしながら色に深みを加えるための塗装方法として使われます。
理想の仕上がりに近づけるには、どの角度から見ても美しい発色になるよう、下地の色やキャンディカラーの濃さを調整することが重要です。光によって色が変化するカスタム塗装は、工程の細かな調整によって独特の存在感を生み出します。


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