ヤマハ・ビーノSA10Jをボアアップして72ccにした場合、キャブレターのセッティングが非常に重要になります。とくにメインジェットやスロージェットの番数選定はエンジンの調子に直結するため、初期セッティングの目安を知っておくことはチューニング成功の第一歩です。
ボアアップとキャブレターセッティングの関係
排気量を上げることで吸排気の流量が増加し、燃料供給量の増加が求められます。そのため、キャブレターのメインジェットとスロージェットの番数を適切に変更しないと、薄すぎる混合気で焼き付きなどのトラブルを招くリスクがあります。
今回は47mmピストン(約72cc)、グランドアクシス流用キャブ、NRマジックマフラーという仕様を前提に、おすすめの初期セッティングを紹介します。
メインジェットのおすすめ番数
純正ビーノのメインジェット番数は#78〜#82程度が一般的です。今回のような72ccへのボアアップ+吸排気チューニング車両では、#90〜#100あたりから試すのがセオリーです。
実際には標高や季節(気温)、マフラーの抜け具合などによって適正番数は前後しますが、#95を基準に濃い方(#98〜#100)・薄い方(#92〜#94)で調整していくと無難です。
スロージェットのおすすめ番数
スロージェット(パイロットジェット)は発進時や低回転域の燃調に影響します。グランドアクシス流用キャブでは、#35〜#38が初期セットとして安定して使われることが多く、#38から始めて調子を見ながら下げる方法も有効です。
発進時に「カブる」「ボコつく」といった症状がある場合は番数を下げ、逆に「息継ぎ」や「アクセル開け始めに反応が悪い」といった症状があれば上げるのが目安です。
プラグの焼け色を確認しながら微調整
最終的な判断はプラグの焼け色で行うのが王道です。焼けすぎ(真っ白)は薄い証拠で、濃すぎ(真っ黒)は燃料が過剰。理想はややきつね色です。
また、フルスロットルでエンジンを高回転まで回した状態で急停止し、プラグを抜いて確認する「プラグチェック」を定期的に行うと安心です。
セッティングに便利なアイテム
- メインジェットセット:#85〜#105くらいまで揃ったもの
- スロージェットセット:#30〜#40程度を網羅
- プラグレンチ:走行直後でもすぐ抜けるように
- 空燃比計(可能なら):より精密なセッティングが可能に
セッティングは面倒に感じるかもしれませんが、適切に行えばパフォーマンス向上だけでなく、エンジン寿命を延ばす効果もあります。
まとめ:まずは安全マージンを確保しながら段階的に詰める
72cc仕様でグランドアクシスキャブ+社外マフラーという組み合わせでは、メインジェット#95〜#100、スロージェット#35〜#38が推奨スタートポイントです。
調子を見ながら段階的にジェット番数を変更し、走行フィール・プラグの状態・燃費などを指標に最適化していくことが重要です。自分の車両に合わせたセッティングを見つけることが、チューニングの醍醐味でもあります。
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