ヤマハビーノSA10Jにボアアップを施す際、ただキットを装着するだけでは本来の性能を引き出せないことがあります。特に規制後モデルは吸排気系の制限が厳しく、適切なセッティングを施さないと不具合やトラブルの原因になりかねません。この記事では、KN企画の60ccボアアップと共にビッグキャブを導入する際に必要となる周辺パーツや調整ポイントについて解説します。
ボアアップとキャブ交換はセットが基本?
排気量アップに伴い、燃料供給量も増やす必要があるため、ビッグキャブの導入は理にかなっています。ノーマルキャブのままだと燃調が合わず、パワーが出ない・焼き付き・始動不良などの症状が起きやすくなります。
例えば、KN企画の60ccボアアップキットを装着した際には、φ17.5〜20mm程度のビッグキャブへの交換が推奨されています。
インテークマニホールドの変更は必須?
キャブレターの口径が大きくなることで、ノーマルのインマニでは物理的に装着できなかったり、角度や位置が合わなくなることがあります。このため、社外キャブ用の専用インテークマニホールドが必要となるケースが多いです。
また、車体側のスペースに合わせて装着角度を調整する必要がある場合もあり、ゴム製アダプターや汎用フランジなどで調整するテクニックもあります。
スロットルワイヤーやエアクリーナーも見直しが必要
ビッグキャブの形状により、ノーマルのスロットルワイヤーが長さ不足・引き代不一致となる可能性があります。その場合は、ビッグキャブ対応のワイヤーへ交換が必要です。
エアクリーナーもキャブの吸入口サイズに合ったものを選びましょう。パワーフィルターやマルチフィルターなどが人気ですが、吸気音が大きくなるデメリットもあるため注意が必要です。
実例:60cc+ビッグキャブ仕様のセッティング例
以下は、実際にビーノSA10Jを60ccにボアアップし、ビッグキャブを装着した場合の一例です。
パーツ | 仕様 |
---|---|
キャブレター | KEIHIN PE20 |
インマニ | KN企画製アルミ製 |
スロットルワイヤー | ビッグキャブ用ロングタイプ |
エアクリーナー | デイトナ製パワーフィルター |
メインジェット | 90番前後からセッティング |
このように、複数の部品が必要になるため、パーツの相性や装着スペースに注意しながら進めましょう。
公道走行と法的注意点
ボアアップにより排気量が50ccを超えると、原付二種扱いになります。ナンバーの再登録・保険・免許区分の確認を必ず行ってください。
また、キャブや排気系の変更が明確に認められていない車両での改造は、厳密には保安基準違反となることもあるため、使用目的(公道・サーキット)を明確にし、責任を持って改造しましょう。
まとめ:パーツの組み合わせと知識が成功のカギ
ヤマハビーノSA10Jのボアアップは、正しい知識と適切なパーツ選びが不可欠です。ビッグキャブ化にはインマニやワイヤーの交換も伴うことが多く、初心者にはややハードルが高いかもしれません。
しかし、しっかりと調整すれば燃費とパワーのバランスが取れた快適な走りが実現可能です。予算と技術に応じて、ステップを踏みながらカスタムを楽しみましょう。
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