深夜に爆音を響かせて走るバイク集団、俗に言う「珍走団」。ニュースやSNSでもたびたび目にする言葉ですが、実際にはどう定義され、どのような特徴を持つ集団なのかを理解している人は少ないかもしれません。この記事では、珍走団の定義や行動様式、ナンバープレートの改造との関係性について詳しく解説します。
珍走団とは何か?
「珍走団」とは、違法または迷惑行為を伴ってバイクや車で集団走行をする若者グループを指す、いわば蔑称です。かつての「暴走族」という表現に代わり、マスコミやネット掲示板などで用いられるようになりました。特徴的なのは、社会に対する挑発的な行動に加え、その外見や言動が「ダサい」とされて揶揄されている点です。
警察による法的な明確な定義はありませんが、交通法規に反する改造や走行を行い、第三者に迷惑をかけるグループが対象となります。
典型的な珍走団の特徴
以下は、いわゆる珍走団に見られる主な特徴です。
- 集団で爆音走行を行う(マフラー改造など)
- 夜間や深夜に無目的に走行する
- 信号無視、蛇行運転などの危険行為
- ナンバープレートを不正に加工・隠す
- 改造ヘルメットや服装で目立とうとする
いずれも、法律や道路交通法に抵触する可能性が高く、悪質な場合は道路交通法違反・騒音防止条例違反・整備不良車運行などで検挙されます。
ナンバーの「かち上げ」「折り曲げ」は何が問題?
ナンバープレートを上に傾けたり、下方向に折ったりする行為は「ナンバーの視認性を意図的に下げる行為」とみなされ、道路運送車両法第19条などに違反する可能性があります。
2021年以降、ナンバープレートの表示に関する取り締まりが強化され、違反には点数と罰金が科せられるようになりました。以下は例です。
違反内容 | 違反点数 | 反則金 |
---|---|---|
ナンバープレートの折り曲げ・傾斜 | 2点 | 普通車:7000円、原付:5000円 |
ナンバーの隠蔽(ステッカー貼付など) | 3点 | 即時取締+車検停止 |
よって、ナンバーかち上げ=即「珍走団」とは限りませんが、社会的に見れば「違法改造」として珍走団の印象を与える行為であることは間違いありません。
すべての改造車が珍走団なのか?
ここで注意したいのは、「カスタム=違法」ではないということ。合法の範囲でドレスアップや性能アップのために改造をしているユーザーも多数います。
一方で、視認性を下げたり、公道でのマナーを欠いた走行をする改造は、珍走団的な行為と見なされやすく、社会的信用も損なう恐れがあります。ナンバー加工が「ダサい」と言われる背景には、こうした倫理観の欠如も含まれていると考えられます。
実際の取締や法規制の動向
国土交通省と警察庁は、ナンバープレートの不正表示に関して「自動車登録番号標の表示義務違反」を厳しく取り締まっており、2021年からは定期的な街頭検査も実施されています。[参照](https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_fr10_000041.html)
また、自治体ごとに条例で夜間騒音や迷惑行為の取締りを強化しているため、単なる外見の問題ではなく、実害ある行動が法的に厳しく対処されるようになっています。
まとめ:珍走団の本質は「行為と意図」にある
珍走団の定義は単なるバイクの見た目だけでなく、違法性・反社会的行動・公共マナーの欠如にあります。ナンバープレートの不正加工も、そうした行為の一つとみなされ、周囲に与える印象も悪くなります。
合法かつマナーを守ったカスタムであれば問題はありませんが、他人に迷惑をかけるような改造・走行は避けましょう。結果的にそれが「珍走団と誤解されない」ための最大の防御策となるはずです。
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