軽自動車でありながらミッドシップ・リア駆動(MR)を採用し、スポーティな走りで話題となったホンダS660。その加速性能は、一般的な軽自動車と比較してどの程度優れているのでしょうか?本記事では、実測データやスペック比較を通じて、S660の実力を探っていきます。
S660のスペックとパワートレイン概要
ホンダS660には、660cc直列3気筒DOHCターボエンジン「S07A型」が搭載されています。最高出力は64PS(47kW)/6,000rpm、最大トルクは104Nm/2,600rpmと、軽自動車規格ギリギリの性能です。トランスミッションは6速MTまたはCVTが選べます。
特筆すべきは車重で、わずか約830kg(MT)という軽量ボディが、機敏な加速と軽快なハンドリングを実現しています。
加速性能:0-100km/hタイム比較
実測ベースでの0-100km/h加速タイムは以下の通りです。
車種 | 0-100km/h加速 |
---|---|
ホンダ S660(6MT) | 約10.5〜11秒 |
スズキ アルト | 約13〜14秒 |
ダイハツ ムーヴ | 約14〜15秒 |
スズキ ハスラー | 約13秒 |
この比較からもわかる通り、S660の加速性能は軽自動車の中でもトップクラスであり、一般的な街乗り軽自動車より明らかにキビキビと走ります。
走行フィールとドライビング体験
S660は「速い」だけでなく「楽しい」と感じさせる設計思想が随所に反映されています。低重心のミッドシップレイアウトにより、コーナリング性能が高く、加速時のトラクションも安定。エンジンの吹け上がりやシフト操作のレスポンスも良好です。
たとえば、郊外のワインディングロードを走るとき、車両の軽さと反応の良さが際立ち、アクセルを踏み込むごとにドライバーに笑顔を与えてくれるような体験ができます。
日常使いと燃費のバランス
S660の燃費性能(WLTCモード)は、6MTで18.8km/L、CVTで20.6km/Lとまずまず。軽自動車としては平均的〜やや低めではありますが、加速性能とのバランスを考えると妥当な数値と言えます。
また、荷室が狭く2人乗りという制限はあるものの、通勤やショートドライブ用途なら充分。加速の気持ちよさを日常的に楽しめる稀有な軽スポーツカーです。
他の軽スポーツカーとの比較
比較対象として挙がるのは、スズキ カプチーノやダイハツ コペンです。以下は参考データ。
車種 | 0-100km/h | エンジン形式 |
---|---|---|
ホンダ S660 | 約10.5秒 | S07Aターボ |
ダイハツ コペン(現行) | 約11〜12秒 | KF-DETターボ |
スズキ カプチーノ(旧型) | 約9〜10秒 | F6Aターボ |
コペンと比べてもS660は加速・走行安定性のバランスに優れ、現代的なチューニングが施されています。
まとめ:S660は「速さ」より「走る喜び」を重視した一台
ホンダS660の加速性能は、軽自動車としては確かに上位にあり、「普通の軽」と比べて明確な違いを感じられます。しかし、それ以上に特筆すべきは運転時のフィーリングの良さ。ハンドリングのキレや、レスポンスの良いエンジンと軽いボディの相乗効果が、加速以上の走る楽しさを提供してくれます。
速さも大事ですが、運転そのものが好きな方にこそおすすめしたい一台です。
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