ホイールスペーサーは見た目の改善や干渉回避などを目的に多くのドライバーが利用していますが、安全性や法的な観点からは十分な注意が必要です。特に純正ハブボルトとスペーサーの組み合わせによる締結長の確保は重要です。本記事では、27mmの純正ハブボルトに8mmスペーサーを装着する場合の可否や注意点について詳しく解説します。
ホイールスペーサーとハブボルトの関係性
ホイールスペーサーを使用する際、もっとも重要なのがナットがボルトにしっかりと“かみ合う”長さ、すなわち有効ねじ込み長です。JIS規格や整備業界の一般的な目安では、「ボルト径の1倍のねじ込み」が安全と言われています。つまり、M12のハブボルトなら最低でも12mmのねじ込み長が必要です。
純正で27mmのボルトに8mmのスペーサーを装着すると、実質の有効ねじ込み長は19mmとなり、この基準はクリアしていると考えられます。ただし、これはホイール側のナット座面や形状にもよるため、実測を推奨します。
車検時限定での装着はOKか?
車検では構造変更や突出規制、走行時の安全性などが審査されます。ホイールナットの締結が十分であれば、8mmスペーサーの使用自体は車検に通る可能性があります。ただし、スペーサーがフローティング式である場合や、厚さによってはナットのかかりが浅くなり、保安基準不適合と判断されることも。
また、スペーサー自体に強度証明が必要なケースもあるため、陸運支局やディーラーでの事前確認をおすすめします。
ねじ込み長を実測する方法
不安な場合は、ナットを装着した際に実際にどれだけの長さがかみ合っているかを以下の手順で確認しましょう。
- 1. スペーサーを取り付けた状態でナットを締める
- 2. ナットを外し、内側にマーカーなどで付いた線の長さを測る
- 3. M12なら12mm以上、M14なら14mm以上のかみ合いがあれば基本はOK
万一ねじ込みが不足している場合は、ロングハブボルトやロングナットなどの導入を検討してください。
スペーサー使用時の安全性を確保するコツ
以下のような点にも注意すれば、車検時や一時使用に限らず安全に使うことができます。
- アルミ製ではなくスチール製や強度の高い鍛造スペーサーを選ぶ
- センターハブ付きスペーサーを使うことで、ホイールの偏心を防ぐ
- ホイールナットは適切なトルク(例:90~110Nm)で締める
- 走行後に必ずナットの緩みをチェックする
これらを守れば、車検時のみの使用であっても比較的安全に運用できる可能性が高いです。
まとめ|純正27mmハブボルトに8mmスペーサーは原則使用可能。ただし確認を怠らずに
ホイールスペーサー8mmは、27mmの純正ハブボルトであれば理論上は問題なく装着できます。ただし、ホイール形状やナットの仕様によって実際のかみ合い量が不足する可能性もあるため、必ず実測確認を行うことが重要です。
車検時のみの使用でも、安全性を確保するために素材・トルク管理・定期点検を徹底しましょう。正しい知識と適切な対応が、安全でスムーズな車検通過につながります。
コメント