シグナス グリファスにおける吸排気チューニングは、多くのユーザーが挑戦するカスタムメニューですが、特にエアクリーナー交換後に高回転の伸びが悪化するケースが目立ちます。今回はAdioエアクリーナー装着後の不調に対し、ノーマルECUのままで対応できる方法や限界について解説します。
エアクリ交換で起きやすい高回転の不調とは
社外エアクリーナー、特にAdio製のように吸入効率が高いタイプを導入すると、吸気量が大幅に増えるため、燃料が相対的に薄くなり、燃焼効率が低下する傾向があります。これが高回転時のパワーダウンや伸びの悪化につながります。
一方で、低速域では吸気過多による負圧低下が少ないため、トルク感の向上を感じるユーザーも多くいます。これは一見「調子が良くなった」と感じるポイントですが、全域での最適化とは異なるという点に注意が必要です。
ノーマルECUでの燃調補正の限界
グリファスのノーマルECUは、O2センサーによる燃調補正を一部行うものの、大幅な吸気変更に対しては適応範囲外です。燃料マップの再調整ができないため、特に全開域での補正は困難です。
そのため、インジェクターを変更しても、ノーマルECUではその性能を十分に発揮できない可能性が高く、むしろ過剰供給による弊害も出かねません。
それでもノーマルECUでセッティングしたいなら
- エアクリーナーを純正形状の社外品に戻す:吸気バランスを整え、高回転の伸びを改善しやすくなります。
- インジェクター流量の適正化:過度に大きな噴射量のものは避け、ノーマルに近い吐出量を選定する。
- スパークプラグの熱価見直し:燃焼状態に合わせて適切な熱価を選ぶことで改善の可能性あり。
これらは応急的な対応であり、ECU制御の抜本的な解決には至らない点も留意しましょう。
aRacer導入との比較:どこまで変わる?
aRacerのようなフルコンECUを導入すると、燃調・点火・スロットル開度に至るまで細かくセッティング可能になります。特に吸排気変更をしている場合、セッティング次第で高回転域のパワーを大きく回復・向上できます。
さらに、スマホやPCでマッピング調整できるため、実走しながら微調整することも可能です。
実際のユーザー事例
Adioエアクリ+マフラー+駆動系を組んだシグナス乗りのユーザーが、ノーマルECUで対応しきれずaRacer導入後に明らかに加速と最高速が改善したとの声があります。
また、プラグ焼けが改善され、燃費も安定したという報告もあります。
まとめ
Adioエアクリーナーを装着した後に高回転の伸びが悪くなるのは、ノーマルECUの補正範囲を超えた吸気特性が主な原因です。インジェクター交換だけでは解決しない可能性が高いため、セッティングを重視するならECUの交換を検討するのが現実的です。
どうしてもノーマルECUにこだわるなら、エアクリを見直し、インジェクターの選定にも注意を払いましょう。最終的には、安全性・パフォーマンス・燃費のすべてを兼ね備えたセッティングが求められます。
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