インジェクション仕様SR400に社外タンクを装着する際のチャコールキャニスター対処法

カスタマイズ

インジェクション仕様のSR400において、社外製タンクを装着する際には、純正タンクに備わっているチャコールキャニスターとの接続機構がない場合があります。本記事では、そうした場合の対処方法や注意点を解説します。

チャコールキャニスターの役割とは?

チャコールキャニスターは、ガソリンタンク内で発生する揮発ガス(燃料蒸気)を活性炭に吸着させて、環境中に放出しないようにする排出ガス対策装置です。インジェクションバイクでは法規対応上、重要な構成要素です。

通常、タンクのベントホースはキャニスターへ接続され、そこからスロットルボディ経由で燃焼室へ導かれます。この接続がないと、揮発ガスが漏れたり、チェックランプ点灯や排ガス検査不合格のリスクもあります。

ニップルがない社外タンクの注意点

社外製タンクの多くは汎用品であるため、チャコールキャニスター接続用のニップル(ホース取り付け口)がないことがあります。これは見た目重視やコストダウンのためで、日本の排ガス規制に完全対応していない製品も少なくありません。

SR400インジェクションモデルでは、本来このニップルが必須であるため、取り付けには以下の対策が求められます。

実際の対処法:ホース取り出し口を追加する方法

方法としては、社外タンクにニップルを新設するか、代替構造でガスの逃げ道を確保する必要があります。

  • 方法1:タンクにニップルを後付け加工
    専門ショップで、タンク本体にベントホース用のニップルを後付けしてもらう。
    溶接・穴あけ加工が必要なのでDIYでは難易度が高く、燃料漏れリスクもあるためプロに依頼すべきです。
  • 方法2:汎用ベントフィッティングを使用
    燃料キャップ周辺からベントホースを逃がす構造の「無圧式ベントキャップ」を採用する。これにより、チャコールキャニスターをバイパスする方法もありますが、排ガス規制に非対応になる可能性があるため、あくまで競技用や自己責任での使用に限ります。

チャコールキャニスターを撤去しても大丈夫?

ネット上では「キャニスターを撤去すればよい」という情報もありますが、これは違法行為になることがあります。特に車検対応が必要なバイクでは、キャニスターの取り外しによって検査不適合になる可能性もあります。

また、ECUがキャニスターの存在を前提に燃調制御していることもあり、単純に塞ぐだけではエンジン不調を招くこともあります。

プロの整備士に相談するのが安心

社外タンクの加工やキャニスター対応については、一般ユーザーには判断が難しい面もあります。SR400に詳しいカスタムショップやバイク整備士に事前に相談し、車両の安全性と法令順守を確認しながら進めるのが最も確実です。

特にSR400は燃料噴射や排ガス規制が厳格なため、下手な改造はトラブルの原因になりやすいです。

まとめ:社外タンク装着時は法規制と安全性に要注意

インジェクション仕様のSR400に社外タンクを装着する際は、チャコールキャニスターとの接続を確保するための対処が必要です。ニップルがないタンクには後付け加工や代替手段がありますが、安全面・法令面のリスクがあるため、必ず専門家に相談して施工を進めましょう。

SR400という車両の特性を理解し、トラブルを未然に防ぐためにも、正しい知識と慎重な対応が求められます。

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