CB400SF NC31とブローバイガス規制:93年式の車検対応と注意点を解説

車検、メンテナンス

旧車カスタムを楽しむ中で、車検の基準に戸惑う方も多いのではないでしょうか。特にCB400SF NC31のような1990年代のモデルでは、現在の規制とのズレにより、誤って不合格となるケースもあります。この記事では、93年式CB400SFにおけるブローバイガスの扱いや、ユーザー車検で注意すべきポイントを詳しく解説します。

ブローバイガスとは?

ブローバイガスとは、燃焼室からピストンリングをすり抜けてクランクケースに漏れた未燃焼ガスのことです。これには有害成分が含まれるため、多くの車両ではこれを大気開放せず、エアクリーナーに戻して再燃焼させる「クローズドシステム」が採用されています。

環境保護の観点から、平成10年以降の車両ではこの処理方式が義務化されていますが、それ以前の年式に対しては明確な規制が適用されていないこともあります。

1993年式CB400SFは規制対象か?

CB400SF(NC31)の1993年式は、ブローバイガスのクローズド化が義務化される前のモデルにあたります。国土交通省の「有害排出ガス規制」の適用タイミングでは、2000年以前のバイクについては規制の対象外となっていることが多く、地域の検査官の裁量に左右される部分もあります。

つまり、車両そのものの設計上大気開放が標準仕様であったなら、法的には通る可能性があるということです。しかし、検査官によっては現在の基準をベースに不合格とする場合があるため、注意が必要です。

実際に不合格となった場合の対応策

検査官に指摘された場合は、抗議という形ではなく、以下のような柔らかい対応を取るのが有効です。

  • サービスマニュアルやパーツリストを持参し、純正構造を説明する
  • 排ガス装置の有無を製造年式ベースで再確認してもらうよう依頼する
  • 一時的にブローバイホースをキャッチタンクへ接続するなど、形式的対応をして再検査に臨む

また、排気ガス処理に関しては「形式変更」や「構造変更申請」が必要となる場合もあるため、構造変更を避けたい場合は純正戻しが無難です。

モラルとしての対応:環境への配慮

たとえ法的に大気開放が許される年式であっても、モラルとしてブローバイガスの処理は行うべきとの考え方が広まっています。エンジンの長寿命化や整備性向上の観点からも、オイルミストの大気放出を避けたほうがよいでしょう。

最近ではCB400SF対応のキャッチタンクキットや、パワーフィルターでもクローズド対応可能な製品も流通していますので、それらを活用するのも一つの手段です。

再検査の手間と費用について

再検査は通常の継続検査と同様の費用(およそ1,700円〜2,000円程度)と、もう一度平日に運輸支局へ行く手間が発生します。そのため、一度目の検査でスムーズに合格するためには、事前準備を入念にしておくことが重要です。

検査官とのコミュニケーションや現場判断に左右される部分もあるので、事前に管轄の検査官に相談しておくことで無駄な再検査を避けられる場合もあります。

まとめ:抗議よりも、事実と対応策を整理して再検査へ

1993年式CB400SFにおけるブローバイガスの大気開放は、年式的に規制対象外である可能性が高い一方で、現場で不合格とされることもあります。抗議というよりも、法的根拠と年式の仕様を資料で提示し、柔軟に再検査へ臨む姿勢が望ましいでしょう。

また、環境配慮の観点からもクローズド化の対策を講じることで、安心してカスタムと車検を両立することが可能です。

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