ステンレスマフラーをカップブラシで磨いた後、短期間で錆が発生してしまうというケースは意外と多くあります。この記事では、なぜステンレスなのに錆が出るのか、その原因と再発を防ぐための正しい手入れ方法を解説します。
ステンレスマフラーが錆びる原因とは?
「ステンレス」は「錆びにくい」金属ですが、「錆びない」わけではありません。特に磨きすぎたり、研磨道具の選定を誤ると表面の保護被膜(不動態被膜)が破壊され、そこから腐食が始まります。
カップブラシでの研磨は非常に強力で、表面のクロム酸化膜を削り取ってしまうことがあります。さらに、鉄製のワイヤーブラシを使用すると、異種金属による「もらい錆」が発生するリスクも高まります。
不動態被膜とは?その重要性
ステンレスが錆びにくいのは、表面にある「不動態被膜」という薄い酸化皮膜のおかげです。これが空気中の酸素と反応して再生されることで、内部の金属を腐食から守っています。
しかし、粗い研磨や高回転ツールによる摩擦熱でこの被膜が除去されると、ステンレス本体が露出し、酸素と結びついても十分に保護膜を形成できなくなります。
カップブラシ使用後に錆が出やすい理由
- 高圧での研磨により不動態皮膜が破壊された
- 鉄粉がステンレス表面に付着して異種金属腐食が発生
- 研磨後に水分や湿気が付着しやすくなった
- 清掃後に保護処理を施さずに放置した
このような状態では、錆が1週間以内に発生しても不思議ではありません。
錆びたステンレスマフラーの対処法
錆が出た場合は、まず中性洗剤で表面を洗浄し、その後にステンレス専用のコンパウンドや金属磨きでやさしく手磨きするのが安全です。
研磨後は水分をしっかり拭き取り、ステンレス専用のコーティング剤(例:ピカール・WAKO’Sバリアスコートなど)を塗布することで、再錆防止になります。
おすすめのメンテナンス方法と注意点
- 鉄製ブラシは使わず、ステンレスや真鍮製ブラシを使用する
- 研磨後は中性洗剤でしっかり洗い流す
- 磨いたあとはすぐに保護剤を塗布する
- 定期的に乾いた状態で拭き取りや確認を行う
また、屋外で駐車している場合は、マフラーに水がかからないようにするなど、環境への配慮も有効です。
まとめ:ステンレスの性質を理解して正しく手入れを
ステンレスマフラーは適切なメンテナンスを行えば長期間美しさを保てますが、間違った方法で磨くと一気に錆びやすくなります。
鉄粉を避ける・不動態皮膜を意識する・保護処理を欠かさないという3つのポイントを押さえて、愛車のマフラーを錆びから守りましょう。
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