ブラックメタリックをフルカウルの単車にガン吹き塗装する際、適切な調合比率・希釈率・必要量を知ることが重要です。本記事では、塗装の基本から具体的な調合比率までを詳しく解説します。
1. ブラックメタリック塗装の基本
ブラックメタリック塗装は、ベースカラー(黒)、メタリック、クリアーの3層構造になっています。それぞれの役割を理解して、適切に調合することが仕上がりの美しさに繋がります。
✔️ ベースカラー(黒)
ブラックメタリックの発色を決める基礎となる塗料で、均一に塗布することが重要です。
✔️ メタリック
金属の微粒子(アルミフレークなど)が含まれており、光沢や輝きを演出します。粒子の大きさや量で見た目が変わるため、希望の仕上がりに応じた調整が必要です。
✔️ クリアー
仕上げに透明なトップコートを塗り、塗膜を保護すると同時に、深みのある光沢を与えます。
2. ブラックメタリックの調合比率
調合比率は、塗料メーカーや使用する種類によって若干異なりますが、一般的な比率の目安を以下に示します。
塗料 | 比率 |
---|---|
ブラックベースカラー | 100% |
メタリック粉 | 5~15% |
硬化剤(2液型の場合) | 10~20% |
シンナー(希釈剤) | 50~80% |
メタリック粉を入れすぎるとムラが出やすくなるため、適量を意識することが重要です。
3. 希釈率の設定
塗料をガン吹きで使用する場合、粘度が高すぎると塗装ムラが発生し、低すぎると垂れやすくなります。
✔️ 希釈率の目安
- ベースカラー塗料:50~70%のシンナーで希釈(スプレーガンの粘度に合わせる)
- クリアー塗料:40~60%のシンナーで希釈(仕上げの光沢を出しやすくするため)
使用するスプレーガンのノズル径や気温によっても変わるため、テスト吹きをして調整すると良いでしょう。
4. フルカウル単車1台分の塗料の必要量
塗料の使用量は、バイクのサイズや塗装するパーツの面積によって異なりますが、フルカウル単車1台分の目安は以下の通りです。
塗装工程 | 必要量(目安) |
---|---|
ブラックベースカラー | 400~600ml |
メタリック粉 | 20~50g |
クリアー塗料 | 500~800ml |
シンナー | 1~1.5L(希釈用) |
2回以上の塗り重ねを想定し、若干余裕を持った量を準備すると安心です。
5. 塗装のポイントと注意点
✔️ 塗装環境の整備
- ホコリやゴミがつかないように、密閉空間で作業する
- 気温15℃以上、湿度50%以下が理想
- 作業前に脱脂をしっかり行う
✔️ スプレーガンの設定
ノズル径は1.3~1.5mmが一般的。エア圧は0.2~0.3MPa(2~3気圧)が目安です。
✔️ 塗り重ねのタイミング
- ベースカラー → 乾燥後(20~30分)
- メタリック → 薄く均一に吹く(2~3回)
- クリアー → 仕上げの光沢を出す(2回以上)
まとめ|適切な調合と塗装技術で美しく仕上げる
ブラックメタリック塗装を成功させるためには、以下のポイントを押さえましょう。
- 調合比率:黒100%、メタリック5~15%、硬化剤10~20%、シンナー50~80%
- 希釈率:ベースカラー50~70%、クリアー40~60%
- 必要量:ベース400~600ml、クリアー500~800ml、シンナー1~1.5L
- 塗装環境:ホコリ対策・適切な温度・湿度の管理
- 塗り重ね:ベース→メタリック→クリアーの順で適切な間隔を空ける
適切な調合と塗装技術を身につけ、理想のブラックメタリック塗装を実現しましょう!
コメント