スーパーカブ50をカスタムして乗る楽しみは多いものの、電装系のトラブルはつきものです。特に全波整流化やハザード機能追加など手を加えた場合、電圧トラブルが発生することがあります。この記事では、バッテリー電圧が急に5Vまで低下し、灯火類が一切点かなくなった場合の原因と対処方法について解説します。
まず確認したい基本的な配線と導通チェック
電圧が5Vしか出ていないという症状は、単純なバッテリー不良だけでなく、レギュレーター/レクチファイヤの故障や配線の断線が疑われます。
マルチメーターでレギュレーター周辺の導通をチェックし、電源ライン(プラス/マイナス)が正しく接続されているか確認しましょう。特にアースの不良は全体的な電装系の不具合を引き起こします。
全波整流化車両特有の注意点
スーパーカブを全波整流化している場合、ノーマル状態とは異なり、ACからDCへの変換と安定化をすべて社外パーツが担う構造になります。そのため、整流器や電圧レギュレーターの品質や容量不足が致命的な問題を招くことがあります。
また、ハザードや高輝度LEDなどの追加による消費電力増大も電圧低下の原因になります。
急な電圧低下時に疑うべき部品一覧
- レギュレーター/レクチファイヤ(整流器)
- メインヒューズ/補機ヒューズ
- バッテリー端子の接触不良
- キーオン電源系統の断線
- アースポイントの腐食・脱落
例えば、キーON時にNランプもウインカーも点かない場合、「イグニッション系統全体が遮断されている」という可能性が高いです。
配線カスタムによる過電圧と断線リスク
走行中に17Vまで出るという情報から、走行時はオルタネーター(発電機)自体は生きていると考えられます。ただし、バッテリーへの充電系統や、そこから電装に向かうラインに何らかの不具合がある場合、走行時と停車時で電装系統が分断されてしまうことがあります。
過電圧が繰り返されることで、ウインカーリレーやインジケーターの内部ICが焼ける可能性も考えられます。
対処法と実際の復旧例
過去の事例では、社外レギュレーターが内部破損し出力が不安定になっていたケースや、ハザード追加時の接続不良によってショートし、メインヒューズが溶断したままだったケースもあります。
一度、レギュレーターを純正品に戻し、ノーマル配線で点灯するか検証するのも手です。また、ハザードスイッチを取り外してみることで、不具合の切り分けが可能です。
まとめ:症状からの診断と確実な修理がカギ
バッテリー電圧が急に下がった際は、レギュレーターやアース、配線の断線など複数の原因が重なっている可能性があります。順番に導通チェックを行いながら、ノーマル状態に戻してテストするのが確実です。
DIYで整流・電装カスタムを行っている場合、「配線図の管理とトラブル対応の知識」がとても重要になります。スーパーカブのカスタムは奥深いですが、安全第一で進めていきましょう。
コメント