スーパースポーツバイク(SS)に乗る多くのライダーが気になる「ミラーの存在感」。デザイン性や空力性能を重視する中で、なるべくミラーを目立たせたくないという声は少なくありません。しかし、法的な基準を無視すれば整備不良となり、違反に繋がる可能性もあります。本記事では、バイクのミラーに関する法律とカスタム時の注意点について詳しく解説します。
バイクのミラーに関する法令上の基準
道路運送車両の保安基準において、後写鏡(ミラー)は原則として設置が義務付けられています。特に「後方20mを左右3mの範囲で確認できること」が求められており、単に鏡があるだけでは要件を満たしません。
また、ミラーの取り付け位置にも暗黙の条件があります。例えば、極端に車体に埋め込まれた鏡などは、「確認機能が著しく損なわれる」と判断されれば違法とされる可能性があります。
ミラーの大きさと形状に関するルール
法令では、ミラーの有効面積についても明記されており、「反射面の面積が69cm²以上」でなければなりません。また、曲面率(カーブ)についても定めがあり、極端な歪みや球面すぎる鏡は基準外とされます。
そのため、単に小さな鏡をカウルに貼るだけの構造では、面積不足や視認性の問題でNGとなるケースが多いです。
実際に問題になるパターンとは?
例えば、レーサーレプリカ系のカスタムで、カウルに鏡面シートを貼ってミラー代わりとするケースがあります。しかしこの場合、警察や車検官に「視認性が極端に悪い」と判断されれば整備不良で切符を切られる可能性があります。
また、視認性が確保できていないと事故の際に過失割合に影響を与えることもあるため、機能を損なうカスタムは慎重に検討する必要があります。
合法的にカスタムを楽しむには?
バーエンドミラーやフェンダーレスキット対応ミラーなど、法令をクリアしつつデザイン性も確保できる製品も多数存在します。これらは後方確認性能と外観のバランスが取れており、多くのユーザーに支持されています。
特にヨーロッパ規格(Eマーク)付きのミラーは、車検対応かつ保安基準を満たす可能性が高いため、安全な選択肢と言えるでしょう。
視認性とデザイン性のバランスを
バイクのカスタムでは、見た目を追求するあまり機能性を犠牲にしてしまうことがあります。しかし、ミラーは「安全のための最重要部品」ともいえる存在です。
後方確認が不十分な状態での走行は、周囲への注意力が不足し事故リスクを高める原因にもなります。法的な要件だけでなく、実用性をしっかり考慮した設置が必要です。
まとめ|合法カスタムで安全かつスマートに
SSバイクのミラーカスタムは、見た目を損なわずに行いたいものですが、法令を無視すれば思わぬリスクを招きかねません。「カウルに鏡を貼るだけ」といった極端な方法は、たとえ一見合法に見えても、安全性や実用性を考慮すれば避けるべきです。
合法でスタイリッシュなカスタムミラーを選び、安心してバイクライフを楽しみましょう。
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