私立大学に通いながら車とバイクを両方所有している学生を見ると、「かなりお金に余裕があるのでは」と感じることがあります。実際、学費に加えて車とバイクの購入費・保険・税金・燃料代・整備費まで負担するには、それなりの資金が必要です。
ただし、車とバイクを持っているという事実だけで、その学生本人や家庭が必ず「金持ち」とは限りません。親から車を譲ってもらっている、実家暮らしで駐車場代がかからない、ローンを利用している、中古の軽自動車や小排気量バイクを安く維持しているなど、背景によって負担は大きく変わります。
一方で、奨学金を利用しながら免許代や車両代を自分で用意する学生と比べれば、車とバイクの両方を無理なく所有できる人は、使えるお金や家族から受けられる支援の面で恵まれているケースが多いのも事実です。所有物だけでなく「誰が購入費と維持費を負担しているか」を見ると実態が分かりやすくなります。
私立大学生は学費だけでも大きな負担がある
大学生の家計を考えるとき、まず大きいのが学費です。文部科学省の私立大学等の学生納付金調査では、私立大学の初年度納付金は授業料・入学料・施設設備費などを合わせると平均で100万円を大きく超える水準です。学部によってはさらに高額になります。[文部科学省参照]
自宅外通学なら、学費に加えて家賃、食費、水道光熱費、通信費なども必要です。そのうえ車とバイクを所有するとなれば、一般的な学生生活より支出項目がかなり増えます。
そのため、学費も生活費も車両費もすべて本人がアルバイト収入だけで負担しているのであれば、大学生としてはかなり高い収入や貯蓄が必要になります。しかし実際には、学費は親、車は祖父母から譲渡、ガソリン代だけ本人負担というように、支出を家族で分担しているケースも少なくありません。
軽自動車でも「買った後」にお金がかかる
車は購入代金を払えば終わりではありません。軽自動車でも軽自動車税、任意保険、自賠責保険、車検、タイヤ・オイルなどの整備費、ガソリン代が必要です。駐車場を借りる地域なら月極駐車場代も加わります。
例えば月極駐車場が月8,000円なら、それだけで年間9万6,000円です。任意保険が年間10万円前後、燃料・整備・税金などを含めれば、車両代とは別に年間数十万円規模の支出になることがあります。特に大学生世代は年齢条件の関係で任意保険が高くなりやすい点にも注意が必要です。
「中古の軽だから安い」と考えても、所有しているだけで毎年一定の固定費が発生します。したがって学生が自分の収入だけで軽自動車を維持できているなら、アルバイト収入をかなり車へ回している可能性があります。
バイクも車とは別に維持費が必要
二輪車も排気量に応じて税金、自賠責保険、任意保険、燃料代、タイヤやチェーンなどの消耗品費がかかります。250ccを超えるバイクなら車検もあります。
125cc程度の小型バイクなら維持費は比較的抑えられますが、車と同時所有すれば当然負担は上乗せされます。ヘルメット、ジャケット、グローブなど安全装備をそろえる費用も必要です。
例えば軽自動車に加えて中古の125ccバイクを持つケースと、新車の普通車に大型バイクを持つケースでは必要なお金がまったく違います。「車+バイク」という台数だけでは経済状況を判断できない理由です。
車とバイクを持っていても必ずしも本人がお金持ちとは限らない
大学生の車所有では、親や祖父母が以前使っていた車を譲ってもらうケースがあります。車両代が0円なら、本人が負担するのは維持費中心になります。また実家の敷地に駐車できれば、都市部で大きな負担になる駐車場代もかかりません。
さらに任意保険についても、契約条件によっては家族の保険契約との関係で負担を抑えられる場合があります。バイクも数万円から数十万円の中古車を現金で買ったり、家族から譲り受けたりすることがあります。
つまり、「学生なのに車とバイクを持っている=本人が数百万円持っている」という構図ではありません。家族の資産や住環境を利用できることで、本人の収入がそれほど高くなくても所有できるケースがあります。
一方で「家からの支援が厚い」という意味では恵まれていることも多い
本人がお金持ちではなくても、親が学費を負担し、実家に住み、車を購入してもらい、保険まで払ってもらっているなら、経済的な支援環境にはかなり恵まれているといえます。
例えばAさんはアルバイト月8万円で、その全額を趣味やガソリン代に使える一方、Bさんは同じ月8万円でも学費の一部、スマホ代、免許代、生活費を自分で負担しているとします。同じ収入でも自由に使えるお金は大きく違います。
学生同士の生活水準の差は「本人の収入」より、「学費・家賃・車両代などを誰が負担しているか」で生まれることが少なくありません。外から見える持ち物だけでは、その部分は分かりません。
奨学金を利用している学生は珍しくない
奨学金を利用して大学へ進学すること自体は特別なことではありません。日本学生支援機構(JASSO)の学生生活調査では、大学生の一定割合が何らかの奨学金を受給しています。[日本学生支援機構参照]
したがって、奨学金を借りているから「自分だけ経済的に厳しい」というわけではありません。ただ、奨学金の返還が卒業後に始まる場合は、学生のうちから大きな自動車ローンなどを抱えることには慎重さも必要です。
免許代を自分で貯めた場合も、その資金は将来の生活に役立つ大きな成果です。車をすぐ持てなくても、免許を取得しておけば就職やレンタカー、カーシェアなど選択肢は広がります。
「車を買える」と「余裕をもって維持できる」は別
中古の軽自動車なら、車種や年式によっては数十万円で購入できます。頭金が少なくてもローンを組めば所有自体は可能です。しかし重要なのは購入可能額ではなく、毎月の返済と維持費を継続的に負担できるかです。
例えば車のローンが月2万円、任意保険が月換算1万円、駐車場8,000円、ガソリン8,000円なら、それだけで月4万6,000円です。ここに税金、車検、修理費の積立を加える必要があります。
アルバイト収入が月8万円なら、車だけで半分以上がなくなる計算です。バイクまで追加すると、生活費や交際費を大きく削らなければならない可能性があります。所有できていても家計に余裕があるとは限りません。
地域によって車の「贅沢度」はかなり違う
車がぜいたく品に近いか生活必需品に近いかは、住んでいる地域でも変わります。東京23区など公共交通が充実し駐車場が高い地域では、学生が自家用車を持つハードルはかなり高くなります。
一方、地方では大学への通学やアルバイト、日常の買い物に車が必要な地域があります。実家に駐車スペースがあり、家族から中古の軽自動車を譲ってもらえば、都市部より低いコストで所有できます。
そのため「大学生で車持ち」という条件だけを全国一律に評価するのは難しく、居住地域と家庭環境を合わせて見る必要があります。
他人と比較するときは購入価格より「自己負担額」を見る
学生の経済状況を比較するなら、車種やバイクの台数より、本人が毎月いくら負担しているかを見るほうが実態に近くなります。
例えば100万円の車を親から買ってもらった学生と、20万円の中古車を自分で購入し、保険や車検もすべて自分で払う学生では、後者のほうが本人の金銭的負担は重いことがあります。
逆に高価な車両でもローン残高が大きければ、資産が多いとは限りません。「何を持っているか」と「自由に使える資産がどれだけあるか」は別の話です。
学生のうちは車を持たない選択も十分合理的
車が欲しくても現在の収入では厳しい場合、無理に購入する必要はありません。大学生の数年間はカーシェア、レンタカー、家族の車などを利用し、就職後に収入が安定してから購入する方法もあります。
特に卒業後に奨学金返還が始まる予定なら、学生時代の貯金をすべて車の頭金に使うより、引っ越し費用や就職後の生活防衛資金として残すほうが役立つ場合があります。
車は購入時期を遅らせても取得できます。免許を取得して運転経験を積める環境があれば、今すぐ所有することだけが正解ではありません。
まとめ|車とバイクを持つ私立大学生は余裕があるケースが多いが「金持ち」とは断定できない
私立大学の学費に加えて、車とバイクの購入費・保険・税金・燃料・整備費をすべて学生本人が負担しているのであれば、大学生としてはかなり金銭的な余裕があるか、収入の多くを車とバイクへ使っている可能性があります。
しかし、車とバイクを所有しているだけでは「金持ち」とは断定できません。親から車をもらった、学費や保険料を家族が負担している、実家の駐車場を無料で使っているなど、本人から見えない支援によって維持できているケースもあります。
一方で、免許代や学費を自分で負担する学生と比べれば、車とバイクを無理なく持てる環境は経済的に恵まれていることが多いでしょう。ただし他人の所有物と自分の状況を単純比較する必要はありません。車は購入価格だけでなく毎年維持費がかかるため、学生のうちは無理をせず、卒業後の奨学金返還や生活費まで含めて余裕を持って所有できる時期に買うほうが、長期的には堅実な選択になります。


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