TW200はシンプルな構造の空冷シングルエンジンを搭載しており、マフラーの交換などで吸排気系を変更すると、レスポンスや始動性に影響が出ることがあります。特にキャブレター車の場合、適切なエアスクリュー調整が必要になるケースもあるため、正しく理解しておきましょう。
マフラー交換で起こる変化とは?
純正マフラーから社外スリップオンやフルエキゾーストに交換すると、排気効率が上がるため、アクセルの付きが軽くなる・吹け上がりが良くなるといった変化が起こります。これは良い傾向ですが、空燃比が変化することで燃調が薄くなりすぎる場合もあります。
特に低速域でのトルクの落ち込みや始動性の低下、アイドリングの不安定が起きた場合は、キャブレターの調整が必要になります。
エアスクリューの役割と調整の基本
エアスクリューはキャブレターの低速域における空気の流量を調整するもので、混合気の「薄さ」または「濃さ」に関わってきます。一般的には、開ける=空気を増やす=混合気を薄く、閉める=空気を減らす=混合気を濃くすることになります。
マフラー交換後に「開け始めが軽くなった」場合は、排気効率の向上で薄くなっている可能性があり、エアスクリューを「わずかに閉める」方向で調整すると改善することがあります。
エアスクリュー調整のやり方(TW200の場合)
- エンジンを十分に暖気する。
- アイドリングを安定させた状態でエアスクリューをゆっくり1/8ずつ回す。
- エンジン回転数が最も高くなるポイントを探す。
- その後アイドルスクリューで回転数を規定値(約1300rpm)に戻す。
注意:マフラー交換での変化が大きい場合は、エアスクリューだけでなくパイロットジェットやメインジェットの交換も必要になる可能性があります。
セッティング後のチェックポイント
調整後は、以下のようなポイントで確認を行いましょう。
- 始動性:チョークなしで始動可能か?
- アイドリング安定性:信号待ちなどでストールしないか?
- 加速性:スロットルを開けた際のもたつきがないか?
これらが問題なければ、基本的なセッティングは出ていると考えて良いでしょう。
マフラー交換+セッティングの実例
実際にTW200でデイトナ製スリップオンマフラーを装着した例では、エアスクリューを1/4閉めたところ、低速トルクが改善し、始動性も安定したという報告があります。
また、バッフルの有無によっても排気抵抗が大きく変わるため、バッフル装着時と取り外した状態の両方でエアスクリューを調整して比較するのも一つの手です。
まとめ|マフラー交換後はキャブ調整もセットで考える
TW200のようなキャブレター車では、マフラー交換によってエンジン特性が変化するため、エアスクリューやジェットによるキャブ調整は必須です。特に低速域のフィーリングに違和感を覚えた場合は、エアスクリューの微調整から始めてみましょう。
正しい調整によって、TW200の本来の走りをさらに引き出すことができるはずです。
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