マフラーのカスタムはバイク愛好家にとって個性を出す大きな楽しみの一つです。中でも「芯抜き(バッフルの取り外し)」は排気音の迫力を得たいときによく行われます。しかしその一方で、マフラー性能やエンジンへの影響、法的リスクなど複数の観点から注意が必要な改造でもあります。本記事では、TSRのカーボンサイレンサーを使用する際に芯抜きをした場合のCB400SF(NC39型)への影響について詳しく解説します。
芯抜きとは何か?
芯抜きとは、マフラー内部にある「バッフル」や「インナーパイプ」などの消音機構を取り除く、あるいは無効化する行為を指します。これによって排気音が大きくなると同時に排気抵抗が減るため、レスポンスが向上したように感じることもあります。
ただし、音量だけでなく排気圧やエンジン内部の吸排気バランスにも影響を与えるため、慎重な判断が必要です。
TSRカーボンサイレンサーとCB400SFの相性
TSRは日本国内でも品質に定評のあるマフラーブランドで、レース用に設計されたサイレンサーは軽量で高剛性なカーボンを使用しているモデルも多くあります。CB400SF NC39型との組み合わせでは、中高回転域の抜けが良くなる傾向があり、走行フィールに変化が見られることも。
芯を抜いた状態での使用は、公道不可を前提とするならば使用自体は可能ですが、耐久性や内部構造の損傷リスクは把握しておくべきです。
芯抜きで起こりうるリスク
1. 排気音の増大:音量が大幅に上がることで、周囲への騒音トラブルが起きる可能性があります。サーキットや私有地での使用に留めるべきです。
2. トルクの落ち込み:特に低中速域でトルクが抜けることがあり、街乗りや坂道発進でストレスを感じるかもしれません。
3. エンジンへの悪影響:排気バランスが変わると空燃比もずれやすくなり、最悪の場合は燃調不良によるエンジントラブルやプラグのかぶりが起きる可能性があります。
実例:芯抜き使用での体験談
CB400SFで実際に芯抜き仕様のTSRマフラーを使用してサーキット走行をしたライダーの話では、「回転の伸びは気持ちよかったが、長時間乗ると耳がやられるレベルの音量になった」と語っています。
また、吸気側にもK&Nなどの高効率エアフィルターを導入したものの、低速でのギクシャク感に悩まされたとも述べています。このように、芯抜きによる影響は想像以上に大きい可能性があります。
合法性と安全面の確認
当然ながら、芯抜き状態での公道走行は違法です。近接排気音量や加速騒音などの保安基準に違反するほか、整備不良車として摘発される可能性があります。
また、安全面においてもバッフルが存在しないことで、エンジンへの熱の負荷が高まるほか、他のパーツへの熱影響にも配慮が必要です。
まとめ:芯抜きは自己責任で慎重に
TSR製カーボンサイレンサーの芯抜き使用は、条件付きで可能ですが、多くのリスクとトレードオフを伴います。CB400SFのような精密なセッティングが活きる車種においては、排気バランスの変化による悪影響を見逃すべきではありません。
芯抜きで得られるサウンドや高回転での抜けの良さは魅力的ではありますが、それに見合った知識と対応策が必要です。公道での使用は厳禁であることを前提に、目的や用途に合ったカスタムを選びましょう。
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