自家用車で大きな荷物を運ぶ機会は意外と多いものです。とくにハイゼットデッキバンのような軽バンは積載力が魅力ですが、「高さ3mの樹木」など背の高い荷物を運ぶ場合には、道路交通法の規定や安全性をよく理解しておく必要があります。この記事では、ハイゼットデッキバンで高さ3mの荷物を運ぶ際のルールや注意点を解説します。
道路交通法で定められた車両の高さ制限とは?
道路交通法では、一般道路を走行する際の車両の高さ制限は3.8mまでとされています。つまり、荷物を積んだ状態での車両の全高が3.8m以内であれば、基本的には走行可能です。ただし、道路ごとに「高さ制限標識」がある場合、その標識に従う必要があります。
ハイゼットデッキバンの車高は約1.9m〜2.0m前後ですので、荷台に高さ3mの樹木を立てて積載する場合、全高が5m近くなってしまう可能性があり、明らかに制限を超えます。
積載物の突き出しに関するルール
道路交通法施行令では、積載物が車両の全高や車幅を大きく超えてはならないと規定されています。具体的には、後方に積載物が飛び出す場合、車体の長さの10%以内であれば許可なく運搬可能ですが、それを超えると道路使用許可が必要となります。
また、赤い布(赤旗)は「後方に積載物が1m以上はみ出す場合」に設置が義務づけられている安全措置の一環であり、赤布をつけただけでは合法とは限りません。積載制限を超える積荷には原則として警察署での道路使用許可が必要です。
ハイゼットデッキバンで樹木を運ぶ際の実用的な判断
高さ3mの樹木を垂直に積むと、車体と合わせて高さが5m近くになり、多くの道路で通行不可になります。したがって、斜めに寝かせる・切り分ける・運搬用トラックを借りるといった代替手段を検討しましょう。
実際、ガーデニング業者などは長尺物を運ぶ際には軽トラックに荷台加工を施した専用車両を使用しており、一般車で運ぶのは非現実的です。車両保険や任意保険でも、法定違反による事故は保証対象外となる可能性があります。
どうして「赤布=OK」と思われがちなのか
赤い布(赤旗)は「見落とし防止」のための措置であり、それ自体が免罪符になるわけではありません。しかしながら、一般的には「赤布をつければ大丈夫」と誤解されがちです。これは昔からの慣習的な考えが浸透していることによるものです。
実際には、警察庁が定めた規則に則らなければ、赤布をつけていても違反対象となる場合があります。「安全運転義務違反」や「積載方法違反」で切符を切られる事例も報告されています。
検討すべき代替策とは
- レンタカー業者の「2トントラック」や「軽トラ幌付き」車両を利用する
- 運送業者へ依頼する(個人便や赤帽なども有効)
- 長物配送対応のホームセンターで購入・配送依頼をする
これらの方法なら、安全・合法かつ手間も最小限で済ませることができます。
まとめ:3mの樹木は工夫と計画で安全に運ぼう
ハイゼットデッキバンで高さ3mの樹木を運ぶことは、原則として道路交通法の規制に抵触する可能性が高いため、推奨されません。赤布をつければ良いという認識は誤りであり、法令に基づいた対策が必要です。安全で確実な運搬方法を選び、大切な荷物と交通ルールの両方を守るようにしましょう。
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