街中で赤いバイクや車を見かける機会が意外と少ないと感じたことはありませんか?一部では「赤い乗り物は事故に遭いやすい」という説もあり、特にアメリカから広まったと言われています。しかし、それは本当に事実なのでしょうか?本記事では車体の色と事故リスクの関係について、統計データや専門家の見解を交えて解説します。
「赤い車は事故が多い」は迷信か、それとも根拠があるのか
この説は「赤は目立つ=スピードを出す人が多く、事故も多くなる」という心理的な連想が背景にあります。赤は刺激的な色であることからスポーツモデルなどに採用されることが多く、ドライバーの運転傾向が事故率に影響している可能性が指摘されています。
実際には、赤い車が事故に遭いやすいという決定的な統計は存在しません。一部の海外研究では「黒」や「灰色」などの暗色系が昼夜問わず視認性が悪く、事故に遭う割合がやや高いとされています。
交通事故と車体色の相関関係:実際のデータから見る傾向
オーストラリアのモナシュ大学が行った研究では、白い車が最も事故率が低く、黒やグレー、シルバーの車は事故率が高い傾向にあると発表されています。[参照]
一方で、赤い車に関しては「中間的な事故率」であるという分析が多く、決して突出して高リスクということはありません。つまり「赤=危険」は科学的には根拠が弱いと言えます。
バイクにおける色の選ばれ方と人気の背景
バイクでは「黒系」が圧倒的に多く販売されています。その理由は。
- スタイリッシュに見える
- 汚れが目立ちにくい
- メーカーのカラーバリエーションに黒が多い
つまり、事故率の高さではなく、市場における供給と好みの傾向によって黒いバイクが多く、それが「事故車も黒が多く見える」原因のひとつかもしれません。
実際の事故報道やSNS映像で赤い車両は多いのか
視覚的に赤は目立つため、ニュースなどで赤い車やバイクが事故に遭っていると「記憶に残りやすい」可能性もあります。これが「赤い車は事故が多い」という印象を作っているという心理学的な解釈もあります。
また、映像に残りやすいカラー=注目されやすい=印象が強まるというバイアス(記憶の歪み)も関係しているとされています。
実際に赤い車やバイクを選ぶ際の注意点
赤い車やバイクが事故率に直接関係するわけではありませんが、「視認性の高さ」は安全面で有利です。白・赤・黄色といった明るい色は昼夜問わず認識されやすいため、むしろ安全性の観点からおすすめできるカラーでもあります。
視認性を意識して車体色を選ぶこと、また黒系などを選ぶ場合でも反射材やライトの工夫などで安全性を補うのが現実的です。
まとめ:赤い乗り物は本当に事故が多い?
結論として、「赤いバイクや車は事故に遭いやすい」という説に科学的な裏付けはほとんどなく、運転者の性格傾向や視認性、記憶のバイアスなどが複合的に影響しているにすぎません。実際には「黒や暗色系のほうが事故率が高い」とされる研究もあるため、色選びの際は見た目だけでなく安全面や視認性も意識して選ぶことをおすすめします。
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