NSR50はバッテリー非搭載(バッテリーレス)でも走行中にウィンカーが作動することで知られています。これは2ストミニバイクならではの発電システムによるもので、電装を追加したい人にとっては「どこから配線を取るべきか?」「フォグランプも点けられるのか?」といった疑問が出てきます。今回は、NSR50の発電・配線構造と、バッテリーレス状態でのアクセサリー活用について詳しく解説します。
NSR50はなぜバッテリーなしでもウィンカーが動くのか
NSR50は交流発電式のマグネットローター(ACジェネレーター)を採用しており、エンジンが回転すると点火用とは別系統でライトやウィンカーなどに電力を供給します。
これにより、バッテリーが無くても走行中に電装系が動作可能となります。ただし、回転数に依存するためアイドリングやエンジン停止時は電力供給が不安定です。
ウィンカーの配線はどこから取られている?
ウィンカーや灯火類は、通常はレギュレーター/レクチファイア(整流器)から電源が取られています。この装置は、エンジンからの交流を直流(DC)や安定化された電力に変換し、電装系に供給する役割があります。
実際には、レギュレーターの出力線(多くは茶色や黒色)からウィンカー用電源が分岐されており、そこからウィンカーリレー→左右スイッチ→ウィンカー本体へと電流が流れます。
バッテリーレスでフォグランプは点けられる?
フォグランプも点灯可能ですが、いくつか条件があります。
- エンジン回転中でないと電圧が不足する
- 消費電力が大きいとアイドリング時に光量不足やチラつきが出る
- 使用するライトは12Vでワット数の低いLEDタイプが望ましい
実例:12V 10W程度のLEDフォグをレギュレーター出力に接続し、スイッチ制御でオンオフしているユーザーも存在。走行中は安定して点灯するが、信号待ちではやや不安定との報告も。
配線の取り出しポイントと注意点
フォグや追加電装に使える配線は、以下のような構成で引き出します。
- 電源:レギュレーターの出力線(茶or黒)から分岐
- アース:フレーム共締め or 黒/緑線から
- スイッチ:手元スイッチでON/OFFを独立制御
また、電源ラインに整流ダイオードやノイズ対策コンデンサを挟むことで、電圧安定性や電装保護にもつながります。
バッテリーレスのメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
軽量化・整備性アップ | エンジン停止中の電装動作不可 |
バッテリー交換・劣化トラブルなし | 回転数が低いと電圧が不安定 |
シンプルな構成 | 点滅器・LED機器の動作安定性に注意 |
街乗り・ミニサーキットユースでは十分実用的ですが、電装を増やすほど設計の見直しが必要になります。
まとめ
NSR50はバッテリーレスでも、発電装置からの電力供給によりウィンカーやライト類が機能する設計になっています。フォグランプも取り付けは可能ですが、低消費電力のLEDを選び、レギュレーター出力から分岐して電圧や安定性に配慮することが重要です。追加電装を考えている方は、回路設計を簡潔に保ちつつ、整流・電圧変動対策を行えば、より安全で実用的に使うことができるでしょう。
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