ヤマハJOG(SA36J)において、キーONでヒューズが飛ぶというトラブルは珍しくありません。特に、エラーコード33や46が表示される場合は、点火系統やバッテリー系統の不具合の可能性が高くなります。本記事では、これらのエラーが表示される原因と、その点検・対処法について詳しく解説します。
エラーコード33と46の意味
エラーコード33は「イグニッションコイル系統の断線やショート」、エラーコード46は「電圧異常(主にレギュレータやバッテリー電圧の問題)」を示します。
この2つが同時に出ている場合、イグニッション回路全体に異常があることが予想され、ヒューズが飛ぶのもこれに関連していると考えられます。
まず確認すべきヒューズと配線のチェックポイント
ヒューズが飛ぶ主な原因は「ショート」です。以下を重点的に確認しましょう。
- イグニッションコイルからのハーネスに断線・被覆破れがないか
- バッテリー+線が金属フレーム等と接触していないか
- CDIユニット・レギュレーターのコネクタに焼け・溶けがないか
特に、ハンドルを切ったときや振動時に短絡するケースもあるため、ハーネスの取り回しやカバー下の状態も確認します。
イグニッションコイルの点検方法
イグニッションコイル単体の点検には以下の手順が有効です。
- テスターで一次側:1〜2Ω、二次側:5〜10kΩ前後の抵抗値を確認
- イグニッションコイルのコネクタ端子が錆びていないか確認
- スパークプラグを接続して、アースさせた状態でセルを回して火花が飛ぶかチェック
これらに異常がなければ、イグニッションコイル本体よりも配線や制御系の問題の可能性が高いです。
バッテリー・レギュレータの電圧チェック
エラーコード46に関連する電圧異常についても確認が必要です。以下の点をチェックしてください。
- キーON時のバッテリー電圧:12V以上あるか
- エンジン始動中の電圧:13.5〜14.5Vで充電されているか
- レギュレーター(整流器)からの出力が正しいか
これらの測定にはデジタルマルチメーターが必要ですが、工具がない場合はバイク店に依頼するのが確実です。
実例:類似のトラブルケース
あるユーザーは、「ヒューズが何度も飛ぶ」という症状に悩まされ、結果的に配線の擦れによるショートが原因でした。エンジンハンガー付近のカプラーの裏側で被覆が剥がれており、そこがフレームと接触していたという事例です。
別のケースでは、イグニッションコイルのアース不良が原因で、電流の逃げ場がなくなりヒューズが焼けるという事態も報告されています。
修理が難しい場合の対応方法
電装系トラブルは原因特定が難しいこともあり、特にヒューズが飛ぶ場合は重大なショートが疑われます。以下の対応を検討しましょう。
- バイク専門店での点検(配線診断が必要)
- サービスマニュアルの確認(配線図付きがベスト)
- 部品取り用バイクとの比較で違いをチェック
また、断線チェッカーや導通チェッカーを使えば、目視でわからない異常も検出できます。
まとめ
ヤマハJOG SA36Jで、キーON時にヒューズが飛び、エラーコード33・46が表示される場合、イグニッション系統や電圧系統に何らかの異常があると判断できます。まずはヒューズの飛ぶタイミングと場所を特定し、イグニッションコイル・レギュレーター・配線の順で点検していきましょう。
トラブル解消には時間がかかることもありますが、焦らず順を追って確認すれば原因は特定できます。
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