DAX50改88ccで高回転時に吹けない・エンストする原因と対策とは?

車検、メンテナンス

DAX50を88ccにライトボアアップし、キャブ・マフラー・電装も手を入れたカスタム車両では、絶好調の状態から突然吹けなくなる・エンストするといったトラブルが起こることがあります。この記事では、特に「高回転時に失速し、温まると症状が悪化する」という状態に対する、具体的な原因と対処法について解説します。

高回転時に失速する症状のよくある原因

エンジンが温まり、回転数を上げたときに失速・エンストする原因は、主に以下の3つに集約されます。

  • 燃調(燃料供給)の不適正
  • 点火系(コンデンサーやイグニッション)トラブル
  • オーバーヒートによるパワーダウン

とくに88ccへのボアアップに加え、吸排気系も変更されている場合、エンジンにとってはかなり高負荷状態。燃料や点火に少しのズレがあると顕著に症状が出ます。

キャブセッティングの見直し:メインジェットとパイロットジェット

現在のセッティングはPC10CキャブでMJ85、PJ35とのことですが、88cc+パワーフィルター+ダウンマフラーの構成に対してはやや薄い可能性があります。MJを90~95に変更して様子を見るのが第一ステップです。

また、夏場は空気密度が下がるため、さらに濃いセッティングが必要になるケースもあります。エンジンが温まると失速するのは、熱ダレ+燃調の薄さが重なった状態であることが多いです。

点火系のチェック:コンデンサー・コイル・プラグキャップ

12V化されていても、田中商会製のCDIやイグニッションコイルは初期不良や熱劣化による性能低下の報告が多いパーツです。特にコンデンサーの熱によるパンクや、プラグキャップの断線は症状として「温まると吹けない」に直結します。

まずはプラグをNGKのCR6HSAなど新品に交換し、火花の強さを確認。それでも改善しない場合は、CDIとコイルの交換も視野に入れてください。

熱対策とエンジン冷却の工夫

ライトボアアップ仕様でも、オイルクーラーをつけていないとエンジン温度が上がりすぎてしまう傾向があります。エンスト直前の症状が「ブッブブッ」という失火系の音であれば、オーバーヒート気味による点火不良も疑えます。

対応策としては:

  • 夏場はオイルクーラーを追加
  • エンジンオイルを10W-40→15W-50など高温向けに変更
  • 長時間の高回転走行を避ける

その他チェックポイント:エア吸い・ガス欠・タペット

吸気系に二次エアを吸っていたり、燃料コックやホースの詰まりによってガスが供給されにくいと、やはり高回転で失速します。エンジン側のインマニに割れや締め付け不足がないかもチェックしましょう。

また、88ccへの変更後にタペットクリアランスを調整していない場合、熱膨張時にクリアランスが詰まりすぎて吸排気効率が落ちることもあります。規定値(IN:0.05mm、EX:0.07mm)に調整してみてください。

まとめ:段階的な原因切り分けで確実に解消しよう

吹けなくなる・エンストする症状は、燃調・点火・冷却の3要素のバランス崩れから起こります。まずはキャブ調整からはじめ、プラグやCDIの交換、タペット調整など基本的な整備を行うことで、多くのケースで改善が見られます。

「走れていたセッティング」が、季節やパーツの劣化によって崩れるのはカスタム車両の常。定期的な見直しを行い、安全で快適なDAXライフを楽しみましょう。

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