マツダのフラッグシップセダン「アテンザ(現マツダ6)」は、その内装デザインの質感やレイアウトから「アウディに似ている」と言われることがあります。特に欧州車のようなシンプルかつ高級感ある内装が評価される中、「パクリなのか?」という声もあるようです。本記事では、両者の内装デザインの特徴を比較しながら、なぜそう見えるのか、その背景にあるデザイン哲学に迫ります。
アテンザの内装デザインの特徴とは
アテンザの内装は、「ドライバー中心のコクピット」を重視した設計で、直線を基調としたシンプルかつ洗練されたレイアウトが特徴です。マツダは「人馬一体」という思想を掲げ、操作性と視認性の高い配置、触感の良いスイッチ類、質感の高い素材選びに注力しています。
2021年の最終型マツダ6では、ナッパレザーやウルトラスエードを使用したインテリアが話題となり、これまでの国産車にはなかった高級感を演出しています。
アウディの内装デザインの特徴
アウディの内装といえば「テクノロジー×高級感」。バーチャルコックピット(デジタルメーター)や、水平基調のデザインによる開放感が特徴的です。特にメタル加飾やアンビエントライトの使い方など、細部にまで神経の行き届いた高精度なデザインが魅力です。
アウディはドイツ車らしく、素材と機能性の両立を徹底しており、質実剛健な美しさがユーザーに評価されています。
なぜアテンザは「アウディに似ている」と言われるのか
共通点として挙げられるのは、水平基調のレイアウトと、質感重視のインテリア素材です。特に2012年以降のアテンザは、「魂動デザイン」コンセプトのもと、欧州車のような端正なスタイルに進化しており、インテリアもそれに準じてシンプル化されています。
また、マツダは「走りの楽しさ」や「プレミアム感」を追求する中で、欧州の高級車をベンチマークとすることが多く、自然とデザインが似てくることはあり得るといえるでしょう。
インスピレーションと模倣の違い
どの自動車メーカーも競合車を研究し、自社製品に反映することは業界では当たり前です。ただし、それは「模倣」ではなく「インスピレーション」です。実際にマツダの開発陣も「アウディの質感は参考にした」と公言していますが、それをベースに独自のデザイン哲学を貫いています。
つまり、「似ている」のは事実でも、それはあくまで参考の範囲であり、コピーとは異なる創造的プロセスによるものだと言えます。
ユーザーの評価と実際の使い勝手
実際にアテンザオーナーの口コミを見てみると、「国産車離れした高級感」「ナビやスイッチの配置が使いやすい」「夜間照明の雰囲気がヨーロッパ車っぽくて好き」など、ポジティブな意見が多いです。
一方で、「もう少し個性があってもよかった」「確かにアウディ風だが、それが逆に好感」といった声もあり、アウディに似ていることがマイナスに捉えられていない点も注目です。
まとめ|アテンザの内装は独自性と進化の結果
アテンザの内装がアウディに似ていると感じる理由は、質感やデザインの方向性が共通しているからであり、必ずしも「パクリ」という意図があったわけではありません。むしろ、マツダは独自の哲学と技術で国産車の常識を打ち破る挑戦を続けてきた結果、欧州車と並ぶ内装品質を実現しています。
今後もマツダの車づくりから目が離せません。
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