車検後すぐにバッテリーが上がってしまうというトラブルは珍しくありません。特に新品バッテリーへ交換したにもかかわらず数週間で電圧が7V台まで低下するケースでは、ユーザー側も不安になるものです。この記事では、そうした状況において疑うべきポイントや、ディーラー対応の妥当性、今後の対策についてわかりやすく解説します。
短距離運転でもバッテリーは上がる?その真偽
ディーラーの説明として「短距離運転では充電が間に合わず徐々に放電する」とありますが、これは正しい一面
ただし、「交換前は上がらなかったが、交換後にすぐ上がった」という状況では、単に運転頻度だけが原因とは考えにくいです。
100mAの待機電流は異常か?
ディーラーは「ナビの合成装置が原因で待機電流が100mAある」と説明したとのことですが、これは非常に重要な情報です。通常、車両の待機電流は30〜50mA程度が目安で、100mAは明らかに高すぎます。
100mAの電流は1日で2.4Ah、5日で12Ah近くに達します。40〜50Ah程度のバッテリーなら10日以内に上がる計算です。
つまり「走らないから」ではなく「電気が抜けているから」バッテリーが上がっている可能性が非常に高いのです。
アイドリング20分で充電は十分か?
「1週間に1度、20分のアイドリングで回復する」といった説明もありましたが、これは誤解を生みやすいアドバイスです。実際、アイドリング時の発電量はエアコンやライトの使用状況によってはほぼプラマイゼロ、あるいは赤字になることもあります。
現実的には、アイドリングよりも30分以上の走行
バッテリー自体の品質にも疑問が残る場合
製造から時間が経っているバッテリーや、保管環境が悪かった製品は「新品でも初期不良」や「容量不足」の可能性があります。バッテリーの製造年月日はラベルに刻印されており、ディーラーが情報開示を渋る場合は、別の整備工場で電圧・CCA(始動性能)テストを依頼するのも一つの手段です。
バッテリーの電圧が7V台に落ちていたということは、すでに深放電(ディープディスチャージ)の状態であり、バッテリーが致命的なダメージを受けている可能性があります。
不安な対応には第三者の目を入れることも大切
ディーラーに不信感を持った場合、日本自動車サービス機構や自動車メーカー本社のお客様相談窓口に相談するのも有効です。
また、バッテリーや電装品のトラブルは国産車でもよくある話で、「自分だけがおかしいのでは?」と考える必要はありません。状況を記録しておくことで、将来的な交渉の材料にもなります。
まとめ:原因は複合的、まずはロジカルな点検とデータ確認を
車検直後のバッテリー上がりには、使用頻度や走行距離の影響もありますが、明らかに過剰な待機電流や初期不良バッテリーの可能性も無視できません。
バッテリーの製造年月・電圧・CCAなど具体的なデータを確認し、必要に応じて第三者機関や別整備工場での再診断も検討しましょう。
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