1990年代から2000年代初頭にかけて、日本でも一部のアメ車ファンに人気があったフォード・トーラスワゴン。果たしてこの車は「日本で売れた」と言えるのでしょうか?この記事では、当時の輸入状況や販売実績、評価のポイントについて解説します。
■フォード・トーラスワゴンとはどんな車?
トーラスワゴンはアメリカのフォードが製造していたステーションワゴンで、1980年代後半〜2000年代初頭までラインナップされていました。全長5m級のボディにV6エンジン、そして広大な荷室と3列シートを備えた大型ワゴンです。
「典型的なアメリカンファミリーカー」として、広さと快適性が売りでした。
■日本での正式販売と導入時期
日本にはフォード・ジャパンを通じて1990年代に正式輸入されており、セダンモデルの「トーラス」も併売されていました。トーラスワゴンは特にファミリー層やアメ車ファンに根強い支持がありましたが、台数的には限定的でした。
特に1996年以降の楕円フォルムを持つ「丸目トーラス」のデザインは、賛否両論を巻き起こしたことで有名です。
■「売れた」とは言い難いが、マニア層には刺さった
結論から言えば、トーラスワゴンは大衆車として「売れた」とは言い難いものの、アメ車好きのコア層や輸入車に理解のある一部ユーザーから高評価を得ていました。
- 広い車内空間とラゲッジスペース
- V6エンジンによるゆったりとした走行フィール
- 同時期の国産車にはない個性的デザイン
こうした点に魅力を感じるユーザーには「唯一無二の選択肢」として愛されていました。
■日本市場で苦戦した理由
トーラスワゴンが日本でメジャーになりきれなかった背景にはいくつかの要因があります。
- ボディサイズが大きすぎた:日本の狭い道や駐車環境には不向き
- 燃費の悪さ:V6エンジン+重量級のボディにより燃費性能は国産車に劣る
- ディーラー網や部品供給の不安:正規ディーラーが少なく、整備・修理も難しかった
また、国産車のミニバン・ワゴン(エスティマ、ステップワゴンなど)が台頭していた時期とも重なり、競争は厳しいものでした。
■今でも根強いファンが存在する
現在でも中古車市場やSNSでは、トーラスワゴンを維持しているオーナーや、復活を望む声も見られます。特に3列シート+リア向きシート(サードシート)がついたモデルは「逆輸入車らしさ」が魅力とされています。
フォード本社ではすでにワゴン系の新車展開は終了していますが、過去のモデルとしてはコレクター的価値も出つつあります。
■まとめ:トーラスワゴンは日本で「知る人ぞ知る」存在だった
トーラスワゴンは、残念ながら日本市場で爆発的に「売れた」とまでは言えませんが、アメリカ車ならではの魅力と存在感で、一定の支持を獲得していた希少な輸入車です。
街中で見かける機会は減りましたが、今も一部のファンに愛され続けていることは間違いありません。
コメント