旧車ファンの中でも根強い人気を誇るサニートラック(サニトラ)。その一方で、多くのオーナーが悩むのが夏場のオーバーヒート対策です。特にチューニング車や街乗り仕様でも、冷却系に手を入れるタイミングは避けられません。今回は、「ラジエーターのコア増し」と「電動ファン化」のどちらが対費用効果に優れるのかを比較解説します。
ラジエーターコア増しのメリットと費用感
ラジエーターの「コア増し」とは、冷却水を通すフィン層(コア)を2層や3層に増やして、熱交換能力をアップさせる改造です。オーバーヒート対策としては王道とも言える方法で、静かかつ受動的に冷却性能を底上げできるのが最大の魅力です。
ただし、費用面ではやや高額で、アルミ製新品ラジエーター+取り付け工賃で5万〜10万円程度が目安です。ラジエーターそのもののサイズアップや車体加工が必要な場合もあります。
電動ファン化のメリットと注意点
電動ファン化とは、純正のベルト駆動ファンを取り外し、電動モーターで駆動するファンに置き換えるカスタムです。エンジン負荷の軽減、回転数に左右されない冷却性能が魅力です。特にアイドリング時や渋滞中の熱だまり対策として効果的です。
電動ファンキットや中古流用(例:カローラやシビック用)などであれば、部品代は1〜2万円、取り付け工賃込みでも3万円前後とコストは比較的抑えられます。ただしリレーや温度センサー制御の設定をきちんとしないと逆にトラブルのもとになります。
どちらが対費用効果に優れるか?
コスパ重視なら電動ファン化が有利です。比較的手軽に導入でき、サーモスイッチとの組み合わせで確実な冷却性能が得られます。走行中の風量が足りない場面(信号待ちや低速走行)でもしっかり作動するのが大きなメリットです。
一方、走行性能と耐久性重視ならラジエーター増しがおすすめです。冷却力そのものを根本から底上げする方法なので、高速巡行や連続走行に強く、エアコン併用時の安心感も増します。
実際のサニトラユーザーの事例
・Aさん:L型エンジン搭載で街乗り中心 → 電動ファン+ノーマルラジエーターで安定冷却
・Bさん:軽いボアアップ仕様 → コア3層ラジエーター+ファンシュラウドで夏場も安定
・Cさん:峠・ワインディング多め → 電動ファン+ラジエーター増しのハイブリッド対策
このように、使用環境と予算に応じた組み合わせがベストです。
まとめ:まずは電動ファンから、予算に余裕があればコア増しも検討を
サニトラのオーバーヒート対策として、もっとも手軽で効果的なのは電動ファン化です。コストを抑えつつ、信頼性も高められる点が魅力です。冷却強化を本格的に考えるなら、電動ファン+ラジエーターコア増しのダブル強化が理想的です。
「どちらか一方」ではなく、ステップアップ方式で導入していくことが、費用対効果の高いチューニングといえるでしょう。
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