CBR1000RR、いわゆる「センダボ(SC77)」と、後継モデルであるCBR1000RR-R(SC82)は外観こそ似ていても、エキゾーストシステムを含む多くの構造が異なります。とくにSC82の純正アクラポヴィッチ製マフラーは人気が高く、SC77への流用を検討する方も少なくありません。この記事では、流用の可否や注意点、車検対応について詳しく解説します。
SC77とSC82のマフラー構造の違い
SC77(2017〜2019年型CBR1000RR)は、センターアップ寄りのコンパクトなマフラー構造で、エキパイ〜サイレンサー間が比較的シンプルな設計となっています。
一方SC82(2020年〜)は、レースベースの設計思想に基づいた完全新設計で、エキパイ径・フレーム下部のクリアランス・取付ステー位置などが大きく異なります。SC82純正アクラはこの専用設計に合わせて作られており、ポン付けは不可とされています。
SC82純正アクラをSC77へ装着することは可能か?
結論から言うと、加工・ワンオフステーやジョイントパイプの製作が前提であれば装着は不可能ではありません。実際にカスタムショップでは、SC82アクラをSC77へ装着している例も存在します。
ただし、溶接加工・パイプ径調整・O2センサー位置調整などの技術を要し、DIYでの取り付けは難易度が非常に高いため、熟練したショップに依頼するのが現実的です。
車検対応について:純正アクラなら通るのか?
SC82純正アクラは「SC82車両での純正採用品」であり、SC77車両で使用した場合は『社外マフラー扱い』となるため、そのままでは車検非対応になる可能性が高いです。
以下のようなポイントに注意しましょう。
- JMCA認定がない(SC77用として未登録)
- 音量・排ガス試験がSC77とは異なる
- 車検時には純正戻しが原則必要
マフラーエンドに「純正品番」「適合型式」が刻印されていても、型式違いであれば適合外とされることがあります。
実例:装着したオーナーの声と注意点
カスタムショップ経由でSC82純正アクラをSC77に装着したライダーTさんは、「加工費用込みで10万円以上かかったが、質感とサウンドに満足。車検時は純正マフラーに戻している」とのこと。
また、別のライダーKさんは「ネットで入手して自分で取り付けを試みたが、フレーム干渉で断念。加工済み品を探すことにした」と語ります。いずれも共通しているのは「装着後も純正マフラーの保管が必須」という点です。
まとめ:SC82純正アクラの流用は可能だが“上級者向け”
SC77にSC82純正アクラマフラーを流用することは、理論上・実例上は可能ですが、高い加工技術と車検非対応のリスクを伴います。また、マフラー交換後も車検を見越して純正マフラーは必ず保管しておくことが前提になります。
もし「音・見た目・性能」すべてをバランス良くアップさせたいのであれば、SC77対応の社外JMCAマフラー(例:ヨシムラ・モリワキ等)を選ぶのも賢明な選択肢と言えるでしょう。
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