車内の静粛性を向上させる「フロアデッドニング」は、多くのDIYユーザーに人気のカスタムメニューです。その第一歩として「シートの取り外し」が必要になることもあります。特にカローラツーリングのような現代的な車両では、安全装備や配線の取り回しもあり、不安になる方も多いでしょう。この記事では、カローラツーリングのフロントシート脱着について、安全かつ確実に行うためのポイントと注意点を解説します。
カローラツーリングのシートは外しても問題ない?
結論から言うと、工具と手順を守れば、フロントシートの脱着は可能です。車両の整備マニュアルにもシート交換手順が記載されており、ディーラーや整備工場でも日常的に行われる作業の一つです。
ただし、シート下にはエアバッグ用センサーやシートベルトの着座センサーなどの電装系が通っているため、無理に引き抜くと故障や警告灯の点灯リスクがあります。
フロントシートを外すための基本手順
以下は、カローラツーリングに限らず一般的なトヨタ車での手順例です。整備の際は自己責任で行いましょう。
- バッテリーのマイナス端子を外す
エアバッグ系配線の誤作動防止のため、作業前に必ずバッテリーを外します。5〜10分放電させると安心です。 - シート固定ボルトを外す
前後のスライドレール端にあるボルト(通常14mm程度)を4本外します。ボルトはしっかりトルク管理されているので、ラチェットレンチを使用しましょう。 - カプラーを丁寧に外す
シート下に数種類のカプラーがあり、エアバッグ・シートヒーター・シートベルト警告灯などに接続されています。ロック付きカプラーを破損しないよう慎重に作業します。 - シートを車外へ搬出
助手席ドアを全開にし、傷を付けないようにゆっくり持ち上げて運び出します。
「裏止め」構造についての注意点
一部の車種では、ボルトの固定部がフロア内部でナットと結合されており、外す際に“裏から止められている”ような感触を受けることがあります。
カローラツーリングもその一例ですが、実際には下部からの補強プレートとボルトで締め込まれている構造であり、力のかけ方によっては「外れない」と感じる場合があります。固着している場合は、無理せず潤滑剤や軽い衝撃で緩めるのが安全です。
シートを戻す際の注意点とトラブル防止策
取り外しよりも、元に戻す際の方がトラブルが発生しやすいです。次のポイントを押さえましょう。
- トルク管理:規定トルクでボルトを締め直す。緩み防止に重要です。
- 配線確認:カプラーの接続忘れや差し込み不良があると警告灯が点灯します。
- バッテリー復旧後に初期化:シートポジションメモリやエアバッグシステムのリセットが必要な場合があります。
作業後にメーターに警告灯が出る場合は、OBDスキャナーでのエラー確認・消去をおすすめします。
まとめ|手順を守ればDIY可能。ただし慎重さと確認がカギ
カローラツーリングのフロントシートは、正しい手順と準備をすればDIYで安全に外すことができます。ただし、電装系の配線とエアバッグ関連部品への配慮は絶対に欠かせません。
デッドニングやカスタムのためにシートを外す場合でも、作業前に整備マニュアルや参考動画などで手順をしっかり確認し、不安があればプロに依頼する判断も大切です。安全第一で、快適な車内空間を手に入れましょう。
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