カワサキの名車として知られるZZR1100D(D型)は、1990年代に登場したスポーツツアラーの代表格です。直線での加速力が語られることが多いこのバイクですが、「コーナリング性能」つまり“よく曲がるのか?”という点も多くのライダーが気になるところです。
ZZR1100Dの基本スペックから見る走行特性
ZZR1100Dは1,052ccの4気筒エンジンを搭載し、当時の市販車で世界最速を誇ったモデルです。そのため、直線の加速力や高速巡航に特化したセッティングが特徴となっています。
車両重量は約233kg(乾燥重量)とかなり重めで、フロント18インチ・リア17インチのホイールサイズとロングホイールベースが相まって、ハンドリングはスポーツバイクに比べてやや重めな傾向があります。
曲がりやすさに影響するポイント
ZZR1100Dのコーナリング性能は、「セッティング」と「ライディングスタイル」で大きく変わります。サスペンションの調整やタイヤの選択、空気圧の管理次第では意外と素直なハンドリングも可能です。
特に峠道では、リアタイヤの空気圧を若干低めに設定し、サスペンションの伸び減衰を調整するとコントロール性が向上します。
スポーツツアラーとしての乗り味
ZZR1100Dは純粋なスポーツバイクではなく、ツアラーの側面も強いため「寝かせればクルクル曲がる」というタイプではありません。ただし、高速道路や長距離移動においては安定感抜群で、疲労も少ない快適性が持ち味です。
峠などでしっかりとコーナリングしたい人には、Fフォークのオーバーホールやフレーム補強を施すと格段に曲がりやすくなると報告されており、カスタム次第で性能の幅も広がります。
実際のユーザーの声と体感
多くのベテランライダーは、「取り回しは重いが走れば安定している」「慣れれば気持ちよくバンクできる」といった感想を述べています。一方で、「サーキットでの切り返しは遅く感じる」「峠では慎重なブレーキングが必要」といった意見もあり、万人にとって“曲がりやすい”とは限らないとも言えます。
例として、鈴鹿ツインサーキットで走行したあるライダーは、「コーナリング時の進入姿勢を作るのに若干の慣れが必要」と語りつつも、「リアが流れることなく安定して抜けられる」と高く評価していました。
他車種との比較で見える立ち位置
ZZR1100Dを同時期のホンダCBR1100XXやスズキGSX-R1100と比較すると、コーナリング性能はやや重厚で安定志向に寄っています。シャープなコーナーでの素早い切り返しは得意ではないものの、ロングコーナーではしっかりとバンクしながら曲がることが可能です。
つまり「曲がらない」ではなく「曲がり方に特徴がある」バイクと捉えるのが正確でしょう。
まとめ:ZZR1100Dは“よく曲がる”よりも“安定して曲がる”バイク
ZZR1100Dはその設計思想からして、スポーツバイクのようなキビキビとしたハンドリングを期待するのではなく、「直線とコーナーを高速かつ安定してこなすツアラー」として理解するのが正しいです。
サスペンション調整やライディングスキル、カスタム次第では十分にコーナリングを楽しむことも可能で、「よく曲がるバイク」と感じるライダーも少なくありません。バイク選びでは、車体の特性を理解したうえで、自分の走りに合ったスタイルを選ぶことが何よりも大切です。
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