私たちの生活の中で目にする警察車両には、いわゆるパトカーや覆面パトカー、さらには一般車両に見えるものまで多種多様です。また、サイレンを鳴らさずに走行する場面や、逆にけたたましいサイレンとともに走る場面もあり、用途の違いや使い分けについて疑問を持つ方も少なくありません。本記事では、警察が車両やサイレンをどう使い分けているのかを、目的や状況に応じた基準に基づいて解説します。
警察が使用する車両の種類
警察が任務に応じて使用する車両には主に以下の3種類があります。
- 白黒パトカー:緊急出動や交通取り締まりなど、一般市民に警察の存在を明示する目的で使用。
- 覆面パトカー:違反車両の摘発や捜査活動など、警察であることを隠して行動する場合に使用。
- 捜査車両(一般車両風):刑事課などが使う車で、盗聴や張り込み、聞き込みなどに使われる。
これらは目的ごとに明確に使い分けられており、単なる見た目の違い以上に役割がはっきりしています。
サイレンを鳴らす/鳴らさない判断基準
緊急走行を行う場合には原則として「赤色灯を点灯」し「サイレンを鳴らす」必要があります。しかし、緊急性のない巡回や交通指導などではサイレンは使用しません。また、現場に静かに近づく必要がある場合(例:暴走族の追跡や張り込み)は、赤色灯もサイレンもオフにして走行することがあります。
さらに、「警察官職務執行法」や「道路交通法」により、サイレンを鳴らさない場合でも法的に問題がない状況も明文化されています。
覆面パトカーが使われる場面とは
覆面パトカーは主に以下のような場面で使用されます。
- スピード違反やあおり運転などの取り締まり
- 事件捜査の尾行や聞き込み
- 重要人物の警護・送迎
たとえば高速道路で後方から接近してくるセダンタイプの車両が急に赤色灯を点灯させる場合、それは覆面パトカーである可能性が高く、違反車両への追尾目的です。
パトカーでもサイレンを使わない場面とは
パトカーがサイレンを鳴らさずに走る場面は意外に多くあります。以下はその一例です。
- 街中の巡回パトロール
- 駐車違反の取り締まり
- 住民からの通報に基づく現地確認(緊急性がない場合)
これは、無用な混乱を避けたり、対象者に気づかれないようにするための配慮です。
実例で見る:パトカーと覆面車両の使い分け
実際に東京都内では、日中の交通量の多い時間帯には白黒パトカーが交差点で交通誘導や事故防止に活用されており、深夜帯になると覆面車両があおり運転などの違反摘発にあたっています。
また、住宅街などで不審者情報が寄せられた場合には、目立たない一般車両タイプの捜査車両がサイレンも鳴らさずに現場に急行するケースもあります。
まとめ:目的によって車両・サイレンの使い分けがされている
警察がパトカーや覆面車、さらには一般車両風の車を使い分けているのは、任務の性質や緊急度に応じた合理的な理由によるものです。サイレンを鳴らすかどうかも、緊急性や周囲への影響を配慮した判断の結果であり、法的根拠に基づいて運用されています。
こうした運用を知っておくことで、街中で見かける警察車両の行動に対する理解も深まり、防犯意識や交通安全の観点からも役立つでしょう。
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