ブレーキ性能を向上させたいという理由から、16アリストに30後期セルシオのブレーキキャリパーを流用するチューニングは人気があります。しかし、ローター選びを間違えるとパッドの接地面に無駄が生じたり、キャリパーを加工する必要が出たりと注意が必要です。この記事では、セルシオキャリパーと最適なローターの組み合わせについて詳しく解説します。
16アリスト×30後期セルシオキャリパーの互換性
16アリストに30系セルシオのフロント・リアキャリパーは基本的に取り付け可能です。ピッチやマウント位置の違いが少ないため、大きな加工を施さずに装着できます。
ただし、キャリパーを装着するだけでは済まず、ローターとの相性が重要です。ローター外径と厚みが合わないと、ブレーキパッドが適切に当たらず制動力が不安定になる恐れがあります。
スープラローター流用時の課題点
よくある流用例として「80スープラのローター」が挙げられますが、これには注意が必要です。スープラローターは外径が小さく、キャリパーのパッド全体が使用されない状態になるケースが多く報告されています。
具体的には、パッドの内周部が5mm程度余る形になり、熱ムラや段付き摩耗のリスクがあります。また、パッド全体を使うためにはキャリパーの一部を削る必要がある場合もあります。
セルシオ純正ローターの流用可否
「ではセルシオ用の純正ローターをそのまま使えば解決では?」と考えたくなりますが、実はそこに落とし穴があります。30セルシオ純正ローターは5穴のPCD114.3でハブ径も近いため、物理的な装着は可能です。
しかし、16アリストのナックルやハブ厚、バックプレートとの干渉が生じることもあり、ボルトオンでは済まないケースがあります。装着前には必ずクリアランス確認を行いましょう。
ベストな組み合わせは?実例から見る選択肢
実際に16アリストへ30セルシオキャリパーを流用しているオーナーの多くは、「GS/アリスト専用のビッグローターキット(334mm~)」を選択しています。これによりキャリパーとパッドの接触面をフルに使え、加工も最小限で済むようになります。
一部のパーツショップでは、キャリパーのポジションに合わせた専用ローターが販売されているため、そちらを活用するのもひとつの方法です。
リアキャリパーの流用と注意点
リア側も30セルシオキャリパーの流用が可能ですが、パーキングブレーキ機構の違いに注意が必要です。30セルシオはインナーシュー式で、16アリストとは一部構造が異なります。
リアに関しては、セルシオキャリパー流用+専用ブラケット+ローター加工といったセットアップが必要になるため、フロントよりも難易度は高めです。
まとめ:セルシオローターは要加工。専用キットでの対応が無難
結論として、16アリストに30後期セルシオのキャリパーは装着可能ですが、ローターについてはセルシオ純正がそのまま使えるとは限りません。加工や追加パーツが必要になるケースが多いため、専用設計のローターやキットを用いるのが安全かつ効率的です。
特に制動力と安全性を確保したい場合には、信頼できるショップで相談し、車両に合った組み合わせを選びましょう。セルシオ純正ローターの流用を検討している方は、ハブやバックプレート周りのクリアランス確認を入念に行うことが重要です。
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