身長150cm前後でバイク未経験、さらに自動車もAT限定免許だった場合、MT普通自動二輪の最初の教習では「車体が大きくて怖い」「半クラッチが分からない」「停止するたびに転倒する」といった壁にぶつかることがあります。
しかし、最初の1~数時限で転倒やエンストを繰り返したことだけで、普通自動二輪免許を取得できないと判断する必要はありません。初回はクラッチ、アクセル、前後ブレーキ、車体のバランスという複数の未知の操作を同時に覚えている段階だからです。
足つきが悪い人ほど重要なのは、両足をべったり着くことではなく、停止時に車体を安定させ、必要な側の足を確実に地面へ着けられる技術を身につけることです。補習の有無より、1時限ごとに何ができるようになったかを見ていくほうが上達を判断しやすくなります。
身長150cmだから普通自動二輪免許を諦める必要はない
普通自動二輪免許では400cc以下の普通自動二輪車を運転できます。250ccに乗ることが目的なら、普通自動二輪免許を取得するという選択は自然です。警察庁でも二輪免許の区分や取得方法について案内しています。[参照:警察庁 運転免許]
身長だけで免許取得の可否が決まるわけではありません。一方で、小柄な人にとって教習車の取り回しや足つきが大きな負担になるのも事実です。そのためローシートなどを用意している教習所では、利用できる装備について遠慮なく相談する価値があります。
特に教習開始直後は、実際に購入する予定の250ccバイクより教習車を大きく重く感じることがあります。教習車を扱うことと、将来自分に合った車種を選んで乗ることは分けて考えるとよいでしょう。
最初の1時限で何度も転倒すること自体は珍しい失敗ではない
MTバイク未経験者にとって、初回から発進と停止を滑らかに行うのは簡単ではありません。左手ではクラッチ、右手ではアクセルと前ブレーキ、右足ではリアブレーキ、左足ではシフト操作を担当します。さらに車体そのもののバランスも取らなければなりません。
最初の段階ではまだリアブレーキや通常のシフト操作まで習っていないこともあり、教習が進むにつれて使える操作が増えていきます。「今の方法だけで最後まで乗らなければならない」と考える必要はありません。
また補習は失敗の烙印ではなく、技能が安定するまで練習時間を追加する仕組みです。必要な時間には個人差があります。短期間で規定時限を終えることより、安全に操作を身につけて卒業することのほうが重要です。
発進では足でバイクを支え続けようとしすぎない
足つきに不安がある初心者は、発進時に両足のつま先で地面をツンツンしながら車体を支え続けようとしがちです。しかし二輪車はある程度動き始めたほうがバランスを取りやすくなります。低速練習では、教習指導員から指定された方法を優先しつつ、視線を近くの地面へ落としすぎないことが大切です。
半クラッチとは、クラッチが完全につながる直前から駆動力が伝わり始める範囲です。クラッチレバーを少しずつ戻していくと、エンジン音や車体の反応が変わり、バイクが前へ進もうとします。まずはこの「つながり始める場所」を手で覚えることが第一歩です。
クラッチを急に離すとエンストしたり車体が急に動いたりします。反対に怖がってクラッチを完全に切ったままでは前へ進みません。初期教習では速く走ることより、クラッチのつながり始めを繰り返し体感することに意味があります。
停止時の転倒は「止まる直前」の操作を見直す
小柄なライダーにとって転倒しやすいのは、走行中より停止直前です。速度がほぼゼロになると車体を自力で支える必要があり、ハンドルが大きく切れていたり車体が傾いていたりすると、片足では支えきれないことがあります。
基本は、停止地点へ向けて速度を落とし、車体とハンドルをできるだけ安定させた状態で止まることです。前ブレーキを急激に握るとフロントサスペンションが沈み、低速ではバランスを崩す原因にもなります。ブレーキ操作については自己流にせず、その教習段階で指導員から教えられた前後ブレーキの使い方を優先してください。
足つきが厳しい場合、停止後に無理やり両足のつま先を着けるより、車体を管理できる範囲で片側へ寄せ、片足をより確実に接地させるほうが安定する場面があります。ただし教習では課題や停止方法について指定があるため、具体的な足の使い方は担当指導員に確認するのが確実です。
サイドスタンドと乗り降りが怖い場合は教習所に相談する
乗車時に車体を倒しそうになる場合、腕力だけでバイクを垂直にしようとすると余計に重く感じることがあります。バイクは傾きが大きくなるほど支えるために必要な力が急激に増えるため、できるだけ車体を大きく傾けないことが重要です。
なお、サイドスタンドを上げるタイミングを含む乗降手順は、教習所や教習方法に従ってください。「この方法だと足が届かず転倒しそう」と感じるなら、次の時限が始まる前に指導員へそのまま伝えるのが適切です。
ローシートを用意してもらえているのであれば、教習所側も足つきへの配慮が可能ということです。ハンドル操作や乗降姿勢を含め、小柄な教習生向けのコツを実車で教えてもらうほうが文章や動画だけで自己流を覚えるより安全です。
厚底シューズは高さだけでなく操作性も確認する
足つきを改善するためにソールの厚いライディングシューズを使う方法はありますが、単純に厚ければ厚いほど有利とは限りません。今後は左足でシフトペダル、右足でリアブレーキを操作するため、ペダルを確実に操作できることも重要だからです。
ソールが極端に厚かったり硬かったりすると、シフトペダルの下につま先を入れにくい、リアブレーキの踏み加減を感じにくいといった問題が生じる場合があります。
教習所によって服装・履物について条件が設けられていることもあります。現在使用しているシューズで今後の課題を安全に行えるか、指導員にも確認しておくと安心です。
教習車で苦戦しても自分の250ccでは事情が変わることがある
普通自動二輪免許を取得した後に乗るバイクは、教習車と同じ車体である必要はありません。250ccには車体が比較的軽いモデル、シート高が低いモデル、シート前部が細く足を下ろしやすいモデルなどがあります。
足つきはシート高の数字だけでは決まりません。例えば同じ780mmでも、シートや車体が細ければ脚を真下へ下ろしやすく、幅の広い車体より接地しやすいことがあります。車両重量や重心も、停止時の安心感に大きく影響します。
購入時にはカタログ値だけで判断せず、販売店で実際にまたがることが重要です。ローシートやローダウンも選択肢ですが、サスペンションを下げると最低地上高、ストローク、ハンドリング、サイドスタンド使用時の傾きなどへ影響するため、専門店と相談して適切に行う必要があります。
初心者ほど「できなかった回数」より改善点を一つに絞る
初回教習で「クラッチもブレーキも足つきも全部ダメだった」とまとめて考えると、次回の負担が大きくなります。実際には一つずつ分解して練習できます。
例えば次の教習では「クラッチのつながり始めを丁寧に探す」、その次は「停止直前に視線を落とさず車体を安定させる」というように、一度に意識する項目を絞る方法があります。指導員にも「停止するときに右へ倒れやすい」「半クラの位置が分からない」など具体的に伝えると助言を受けやすくなります。
公道へ出れば、教習所以上に安全な低速操作と確実な停止が重要になります。補習によって基礎操作を繰り返せるのであれば、それは免許取得後の安全につながる練習時間と考えることもできます。
まとめ:150cm・バイク未経験でも初回の転倒だけで普通自動二輪を諦める必要はない
身長150cm前後でMT車の経験がなく、初回の普通自動二輪教習で何度も転倒やエンストをしたとしても、1時限の結果だけから「今後も運転できるようにならない」と判断することはできません。クラッチ操作もリアブレーキもシフトチェンジもこれから習う段階なら、まだ二輪車の基本操作を学び始めたところです。
足つきに不安がある場合は、両足を無理に着けることだけを目標にせず、半クラッチ、視線、低速バランス、停止直前の車体姿勢、確実な片足接地などを指導員と一つずつ身につけていくことが大切です。ローシートを利用し、乗降方法についても積極的に相談するとよいでしょう。
250ccに乗るという目的が明確なら、現時点で小型限定へ変更する必要があるかを急いで決める必要はありません。まず数時限受けて上達の変化を確認し、それでも車体の保持が著しく困難な場合には担当指導員と今後の教習方法を相談する、という順番で考えるのが現実的です。

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