三菱ギャランEC5Aにおいて「加速後にアイドリング不調」「オイルランプ点灯」「エンジン停止」という症状が発生し、ディーラーでは異常なしと診断されたものの、高回転で再発したとの報告があります。本記事では、このような症状の背景にある可能性の高い原因と、確認すべき部位について解説します。
■まず確認したい:エンジン停止+オイルランプ点灯の意味
走行中にエンジンが突然ストップし、オイルランプが点灯する現象は非常に危険です。オイルランプの点灯は「油圧低下」または「オイル量不足」などを示しており、エンジン内部の潤滑不良や損傷の前兆である可能性があります。
この状態で再始動ができたとしても、内部にはダメージが蓄積している恐れがあるため、慎重な診断が必要です。
■疑われる主な原因とチェックすべき箇所
- 1. オイルポンプの不良または油圧系統の異常
高回転走行時にのみ症状が出る場合、オイルポンプの吐出不良や、オイルストレーナーの詰まりによる油圧不足が原因となっていることがあります。特にオイル管理が不十分だと、スラッジが詰まりやすくなります。 - 2. イグニッション系統(点火コイル、クランク角センサー)
高回転や負荷時にのみ失火や信号断が起きる場合、点火系センサーの劣化が原因のことも。温度上昇時にセンサーが誤作動を起こし、エンジンが一時的に止まることもあります。 - 3. フューエルポンプ・レギュレーターの不調
燃料供給系に不調があると、エンジン負荷時に燃料が不足し、失火や停止につながります。特に20年以上経過している個体は燃料ポンプの弱りが多く見られます。 - 4. ECUや電源系統の接触不良
ヒューズボックスやアース不良、ECUカプラーの接触不良なども、振動や高回転時に一時的な電源断として現れるケースがあります。
■再現性のない不具合はログ保存&ドライブレコーダーが鍵
ディーラーで「異常なし」と診断されるケースの多くは、症状が再現できていないか、故障コード(DTC)が記録されていないためです。ECUのスキャンでは一時的なトラブルが記録されていないことも多く、症状が出た際の記録(ドライブレコーダーの映像やメーターの挙動)が重要です。
また、OBD2スキャンツールを自身で接続してログ記録を行えば、次回の発生時に原因特定の手がかりになる場合もあります。
■点検時の具体的な依頼ポイント
再度ディーラーや整備工場に依頼する際は、以下のように具体的な要望を伝えると、より精度の高い診断が期待できます。
- 「油圧センサーの出力やオイルストレーナーの詰まり確認を希望」
- 「高回転時の燃料圧・点火信号波形のチェックを依頼」
- 「クランク角センサーやイグナイターの熱劣化診断」
また、異常発生時の速度・エンジン回転数・アクセル開度などの状況をメモにまとめて渡すと、診断精度が大きく向上します。
■まとめ:油圧・燃料・電装系統の点検がカギ
ギャランEC5Aにおける高回転時のアイドリング不調やエンジン停止、オイルランプ点灯は、油圧不足・点火不良・燃料供給不足・電源系の一時断など複数の原因が絡む可能性があります。
「再始動できる=安心」ではなく、重大故障の前兆の可能性があるため、点検時には上記ポイントを具体的に伝え、場合によっては整備記録や走行中の映像を活用して再現性を高めるアプローチが有効です。
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