免許更新の際に、免許証用の写真撮影とは別に「顔だけを自動的に撮られる」体験をした方もいるかもしれません。このような撮影はなぜ行われているのか、個人情報としてどう扱われているのか、不安に思う方も少なくないでしょう。この記事では、その撮影の目的と背景、データの取り扱いについてわかりやすく解説します。
免許更新時の顔の自動撮影は何のため?
これは主に「本人確認」や「なりすまし防止」のために行われる顔認証用のスナップショット撮影です。免許証用の写真とは異なり、データベース上の顔画像との照合を目的に撮影される場合があります。
警察庁では、顔画像を活用した本人確認の制度整備が進められており、将来的な「デジタル本人確認」や「免許証のIC化」に向けて技術が導入されています。撮影された顔写真は、その場での本人確認処理や不正防止のため一時的に利用されることが多いです。
撮影された顔画像はどこへ行くの?
基本的に、免許証に使用される写真以外の顔画像は警察のシステム上で照合後、保存されない、または短期間で自動削除される運用が多いとされています。国民全員の顔画像を恒久的に保管する目的で撮影されているわけではありません。
ただし、都道府県によって運用ルールに差がある場合があり、不正受験や二重登録を防ぐ目的で一時的に画像を保持している自治体もあります。
個人情報としての取り扱いは安全?
このような顔認証の仕組みは、個人情報保護法に基づき「特定個人情報」として厳格に管理されています。警察や運転免許センターでは、撮影された顔データは法的な根拠に基づいて処理・運用されており、不正な目的での流用や外部流出は基本的にありません。
また、本人が希望すれば「データの取り扱い」について問い合わせたり、運用方法の確認をすることも可能です。各都道府県警察の運転免許課に問い合わせると詳細を教えてくれます。
実際に体験した人の声
「更新の時に『ちょっと顔見せてください』と機械が勝手に撮ったのが不思議でした。でも、その後の流れは通常通りで、免許証に載る写真は別で撮影されました」(東京都・30代)
「『不正防止のためです』と説明され、スムーズに手続きできました。写真が保存されているわけではないと思うと安心しました」(愛知県・40代)
免許センターが導入している顔認証システムとは
2020年以降、各地の免許センターでは順次「顔認証対応の受付機器」を導入しています。これは、免許更新や再交付手続きの際に「本人であるかどうか」を判断するための補助的な装置です。パスポート申請などでも同様の顔認証機能が取り入れられつつあります。
特にICチップ内蔵の免許証では、顔写真データも電子的に管理されており、将来的にはマイナンバーカードやスマートフォンとの連携も視野に入れた運用が検討されています。
まとめ:自動撮影は“本人確認”のための措置
免許更新時に行われる自動的な顔写真の撮影は、本人確認の精度を高めるためのものであり、基本的には免許証に使われる写真とは別物です。個人情報としての管理も法に基づき行われているため、過度に心配する必要はありません。
それでも不安がある場合は、各都道府県の免許センターに直接問い合わせることで、詳細な運用ルールを確認することができます。
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