走行距離が15万kmを超える車両や、保有年数が10年を超える車には、車検時の整備内容が非常に重要になります。特にブレーキ関連の整備は安全性に直結するため、交換や点検の見落としは避けたいところです。この記事では、オートバックスなどカー用品店での車検整備において、ブレーキフルード交換やグリスアップがなぜ重要かを解説します。
ブレーキフルードは定期交換が基本
ブレーキフルード(ブレーキオイル)は、時間の経過とともに水分を吸収して劣化し、ブレーキ性能が低下します。そのため、2年ごとの交換が推奨されています。これは車検ごとに交換するのが通例となっている理由でもあります。
仮に交換されないまま使い続けると、ブレーキの熱で沸騰し、ペダルを踏んでも効かない「ベーパーロック現象」の原因にもなります。車検を通すだけの最低限の整備ではなく、長く乗るつもりなら交換を検討すべきです。
ブレーキグリスアップの必要性
ブレーキのスライドピンやパッド周辺にはグリスが塗布され、滑らかな動作と異音防止を担っています。しかし経年劣化や熱により、グリスは効果を失います。
特に冬場の凍結や雨水による錆でスライドピンが固着すると、片効きや引きずりの原因に。2〜3年に一度はグリスアップするのが理想で、10年以上経った車では車検時に点検・整備されているか確認が必要です。
整備提案の有無は店舗ごとに異なる
車検時にブレーキフルード交換やグリスアップが見積もりに含まれていないからといって、必ずしも店舗が怠慢というわけではありません。あくまで「車検合格に必要な項目のみ」を提示するプランである可能性があります。
そのため、ユーザー自身が整備の必要性を理解し、追加を依頼する姿勢が求められます。オートバックスなどの量販店でも、希望すれば対応してもらえるケースが多くあります。
整備履歴と今後の保有予定から判断を
今回のヴェルファイアのように13年目で15万km走行している車両では、足回りやブレーキ系のメンテナンスは非常に重要です。過去2年間で1.5万km走行しているなら、ブレーキフルード交換は適切なタイミングといえるでしょう。
また、「今後も乗り続ける」予定があるなら、今のうちに足回りの整備をしておくことで、後々の故障リスクを軽減できます。
実際のユーザーの整備例
ある13年目のトヨタ・アルファードオーナーのケースでは、車検時に以下の整備を実施しています。
- ブレーキフルード全量交換
- キャリパー・スライドピン清掃&グリスアップ
- ブレーキパッド残量点検と面取り
このような整備を行うことで、ブレーキ鳴きや片効きが解消され、安心して次の2年間を走行できる状態が保たれました。
まとめ|車検は「通すだけ」でなく「維持する整備」も重要
・ブレーキフルード交換は原則2年に1度が推奨
・ブレーキグリスアップも経年劣化対策として有効
・整備項目は提案されないこともあるが、必要であれば自分から依頼すべき
・13年目・15万kmなら特に足回りのメンテナンスは重要
今後も愛車と長く付き合うためには、費用を抑えることよりも、安全性と信頼性の維持を優先した車検整備を心がけましょう。
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