マツダはクリーンディーゼルとEVをどう両立させるのか?脱ディーゼル時代に向けた戦略を読み解く

新車

自動車業界では世界的にEV(電気自動車)へのシフトが加速する中、マツダが誇るクリーンディーゼルエンジンの今後に注目が集まっています。欧州ではディーゼル規制が厳しくなり、日本でも脱炭素社会への移行が進む中で、「マツダはディーゼルを続けるのか、それともEVに完全移行するのか」という疑問が浮かびます。この記事では、マツダの最新技術戦略とディーゼル×電動化の融合の可能性について詳しく解説します。

マツダのクリーンディーゼルの強みとは?

マツダは2012年以降、「SKYACTIV-D(スカイアクティブディー)」という低圧縮比ディーゼルエンジンを開発し、従来のディーゼルが抱えていたPM(粒子状物質)やNOx(窒素酸化物)の排出を抑制しました。

さらに、エンジン単体の熱効率や静粛性も高め、実用燃費の良さやトルクの強さで「走りを楽しみながらエコも意識できる」という独自のポジションを確立しています。

マツダはディーゼルと電動化をどう共存させるのか?

マツダは「マルチソリューション戦略」を掲げており、地域ごとのエネルギー事情や法規制に応じて内燃機関と電動化技術を段階的に融合させる方針です。

たとえば、「マイルドハイブリッド(MHEV)」や「プラグインハイブリッド(PHEV)」といった電動化技術と、既存のディーゼルエンジンを組み合わせることで、CO₂削減と性能維持を両立するモデルの開発が進められています。

実際に、2023年に発表された「CX-60」や「CX-90」では、直列6気筒ディーゼルに48Vマイルドハイブリッドを組み合わせたパワートレインが採用されており、これが今後の方向性を示しています。

世界的にはディーゼル廃止の流れ?その背景

ヨーロッパを中心に、CO₂だけでなくNOxやPMの観点からディーゼル車規制は年々強化され、2035年以降の新車販売では事実上のディーゼル禁止となる国も出てきています。

さらに、自動車メーカーに対する「企業別排出量平均(CAFE規制)」の厳格化もあり、ディーゼルに依存し続けることが企業経営上のリスクになりつつあります。

一方で、日本国内ではまだ一定のニーズがあるため、短中期的には継続の余地も残されています。

マツダの将来戦略:EVとディーゼルは共存できるのか?

マツダは2030年までに販売の25~40%をEVとする中期目標を掲げています。これに伴い、EV専用プラットフォーム「SKYACTIV EV SCALABLE ARCHITECTURE」の導入も予定されています。

ただし、すぐにすべてをEVに切り替えるのではなく、ガソリン・ディーゼル・ハイブリッド・EVの4本柱で市場ニーズに対応する柔軟な体制がとられています。

これにより、ディーゼルをベースにしたハイブリッドや、将来的な水素燃料への応用も視野に入れた技術開発が進行中です。

ユーザー視点で見る:今、マツダのディーゼルは「買い」か?

燃料費の安さや長距離走行での燃費効率を重視するユーザーにとって、現在のマツダのクリーンディーゼルは依然として魅力的な選択肢です。特にCX-5やCX-8などのSUVでディーゼル×ハイブリッドを選ぶことで、燃費・走行性能・環境性能のバランスが取れたカーライフが実現できます。

ただし、10年単位での車両保有を前提とするなら、将来の規制や市場環境にも注意が必要です。

まとめ:ディーゼルは「終わり」ではなく「進化」の途中

マツダはディーゼル廃止には即座に踏み切らず、電動化と組み合わせながら段階的な移行を進めています。環境への配慮と走行性能の両立を目指し、ディーゼル技術を進化させる姿勢は今後も続くでしょう。

EVだけに偏らないマルチな選択肢を持つマツダの戦略は、多様なユーザーニーズに応える現実的なアプローチといえます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました