ヤマハJog Z(3YK)に3WF90ccエンジンをスワップし、キャブレターにPWK28を使用するチューニングは、パワーアップが見込める一方で、繊細なセッティングが要求されます。特に巡航中や急加速時に発生する「息継ぎ」「ボコつき」「エンジン停止」などの不調は、キャブレター設定や点火系、燃料供給の問題が絡んでいる可能性があります。この記事では、実例を交えて対策法をわかりやすく解説します。
PWK28キャブの基本セッティングを見直す
PWK28キャブレターを装着した場合、標準的なセッティングではメインジェット(MJ)125、スロージェット(SJ)40程度がよく使われますが、これがすべてのエンジンに最適とは限りません。特に巡航時(中開度)や全開付近での息継ぎは、ニードル段数やパイロット系の影響も大きいため注意が必要です。
巡航時に息継ぎする場合は、ニードルのクリップ位置を1段下げて燃料を濃くすることで改善することがあります。また、急な全開でモタつく場合は、メインジェットを数番上げてみるのが効果的です。
燃料供給系のチェックも重要
高回転域や急加速時に止まる・モタつく症状は、燃料が十分に供給されていない可能性があります。フューエルホースの詰まり、負圧コックの不良、大径キャブに対する負圧不足など、さまざまな要因が考えられます。
改善策としては、重力式コックへ変更、またはフューエルポンプの導入が有効です。あわせてホースの径を見直したり、途中にエアが噛んでいないか確認してください。
点火系やプラグの状態も見逃せない
キャブ設定だけでなく、点火系の不調でも同様の症状が出ます。特に古い2ストバイクでは、プラグの焼け具合がセッティングの指標になります。
例えば、プラグが真っ黒で湿っているなら濃すぎ、真っ白で焼け気味なら薄すぎです。NGKのBR8HSなど適正な熱価のプラグを使用し、定期的に交換しましょう。
エアフィルターやチャンバーとの相性も考慮
エアクリーナーが社外品(デイトナ、キタコなど)に変更されている場合、吸気量が増えすぎて燃調が薄くなる傾向があります。同様に、社外チャンバーを装着している場合もジェットセッティングに影響します。
実際に、デイトナ製パワーフィルター+PWK28+チャンバーの構成で、メインジェットを135〜140に変更したことでボコつきが改善されたという報告もあります。
セッティングのコツと試走時の注意点
1つずつ変更を加えたら必ず試走し、挙動を記録しましょう。特にキャブ調整は「変更点を1つに絞る」のがセオリーです。いきなりMJとSJを同時に変えると、どちらの影響か分からなくなります。
また、症状が出る回転域やスロットル開度を明確にすることで、対処すべきジェット系統が特定しやすくなります。
まとめ:根気よく調整しながら自分仕様を完成させよう
Jog Zに3WFエンジンとPWK28を組み合わせるチューニングは、魅力的な反面、セッティングの煮詰めが重要です。息継ぎやボコつきなどの不調は、キャブのニードル段数やMJ/SJ変更、燃料供給の見直し、点火系・吸排気とのバランスなど、複数の要因をひとつずつ潰すことで解決に近づきます。
初心者でも、セッティングの記録を取りながら調整していけば、理想の走りが手に入るはずです。焦らず、じっくりと愛車と向き合っていきましょう。
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