15年放置のバリオス2が片肺状態?3・4番シリンダーが点火しないときに確認すべきポイント

車検、メンテナンス

長期間放置されていたバイクを再生する際、複数のトラブルが重なっていることは珍しくありません。今回は「バリオス2でアイドリングは安定するが3・4番シリンダーが点火しない」という症状に焦点を当て、実際のトラブルシューティング手順を解説していきます。

症状を整理:アイドリングは安定するが片肺状態

まず症状を整理しましょう。1・2番は生きていて、3・4番は反応が薄い。このような片肺状態の場合、原因は「点火不良」「燃料供給不良」「圧縮不良」に分類できます。今回、圧縮と点火確認、キャブ清掃は済んでいるとのことですが、まだ見逃しやすいポイントも存在します。

また、3・4番が同時にダメというのも重要なヒントになります。同じ系統にある可能性があるため、ペアで見る視点がカギになります。

点火系を再確認する:コイルとプラグコード

バリオス2の点火系統は1・4番、2・3番のペアでコイルから点火しています。3・4番が不調ということは、通常の配線順とは異なり、何らかの配線ミスや断線が疑われます。

実際にプラグに火花が飛んでいたとしても、負荷がかかる状態(圧縮下)ではスパークしないというケースもあります。プラグコードやイグニッションコイルの劣化によって、抵抗値が高くなっているとこのような症状が出やすくなります。

キャブレターの再確認:3・4番の燃料供給は正常か

キャブレターは清掃済みとのことですが、長期放置車の場合、特にエア通路の詰まりやスロージェットの固着が多く見られます。3・4番のパイロットジェットが完全に詰まっていれば、始動時に燃料が供給されず不発となります。

もう一度、スロージェットやパイロットエアスクリューの通路に光を通すなどして、完全に通っているかどうかを確認しましょう。また、フロートがうまく動いていないことも燃料供給不足の原因になります。

バキュームホースや負圧取り出し口の確認

キャブからエンジンに向かう負圧取り出し口にホースの装着忘れや、キャップが抜けていることも片肺症状の原因になります。とくに3・4番側にそれが起きている場合、空気を吸いすぎて混合気が適正にならず燃焼しないことも。

エアクリーナーボックスの取り付け忘れや、二次エア吸入による混合気の異常にも注意が必要です。

電気系統全体の電圧チェックも忘れずに

バッテリー電圧やレギュレーターの不良も、点火トラブルの遠因になることがあります。とくに古い車体ではカプラーの接触不良やアースの劣化も多く見られます。

キーONでの電圧降下や、セルを回したときのバッテリー電圧もチェックしておくと無駄な二度手間を防げます。

まとめ:複合トラブルを前提に、一つひとつ丁寧に確認を

バリオス2の3・4番が点火しない場合、単純な点火不良に見えても、実際はキャブの詰まりや配線不良など複数要因が絡んでいることが多いです。焦らず、一つずつの系統を丁寧に再確認していくことが再生への近道です。

「点火しているように見えるが実際には火が飛んでいない」「キャブ清掃はしたが内部の一部が詰まっていた」など、目に見える確認だけで安心せず、実働テストを併用することが重要です。

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