ベスパ50Sはそのクラシカルなスタイルと手軽なサイズ感で根強い人気を誇るスクーターですが、「もう少しパワーが欲しい」と感じてボアアップを検討する方も多いです。今回は50ccから75cc・85ccへボアアップする際のメリット・デメリット、さらに必要な周辺パーツの見直しや最適なカスタムプランについて、初心者の方にも分かりやすく解説します。
◆ 50ccから75ccにボアアップするメリットとは?
まず最も大きな変化は、パワーとトルクの向上です。坂道や2人乗りでも余裕が生まれ、交通の流れに合わせた走行が可能になります。特に都市部でのストップ&ゴーでは快適性が段違いです。
また、巡航速度の向上により、ちょっとしたツーリングにも対応できるようになり、50ccとは違った楽しみ方ができるようになります。
◆ ボアアップによるデメリットと注意点
排気量アップにより当然ながらエンジンにかかる負荷は増します。結果として、純正のままでは冷却性能や耐久性に限界が出ることも。
また、原付一種(50cc)から外れるため、小型二輪登録が必要になり、保険や免許区分も変更対象になります。
◆ ボアアップ時に交換を検討すべき部品一覧
単にシリンダーとピストンを交換するだけでは不十分です。以下のパーツも合わせて見直すことをおすすめします。
- キャブレター(メインジェットの変更含む)
- マフラー(排気効率を高めるため)
- クラッチスプリング(トルクに応じたセッティング)
- 点火系(CDIやプラグの熱価)
これらをバランスよくセッティングすることで、エンジンのポテンシャルを安全に引き出すことが可能になります。
◆ 75ccと85ccの選択で迷ったときの判断基準
75ccは耐久性とのバランスがよく、街乗りメインで気軽にパワーアップしたい方に適しています。部品も豊富で価格も比較的安価です。
一方で85ccはさらにパワーが増しますが、エンジンへの負荷や冷却面の対策がよりシビアになります。ある程度の知識がある中級者向けと言えるでしょう。
◆ 実例:75ccボアアップ+周辺カスタムの一例
あるオーナーのカスタム事例では、以下のような構成で快適に走行可能な仕様を実現しています。
- DR製75ccボアアップキット
- デロルト製16.16キャブレター
- レース用CDI点火キット
- SITOプラスマフラー
これにより最高速は約65~70km/hまで向上し、トルクも十分。ストレスのない日常使用が可能となっています。
◆ まとめ:ボアアップは計画的に行うのが鍵
ベスパ50Sを75ccや85ccにボアアップすることで走行性能は大幅に向上しますが、それに伴う周辺部品の見直しや法律面での対応も必要です。
初心者の場合は、まずは75cc+マイルドな補機類交換から始めてみるのが現実的。少しずつステップアップしていくことで、ベスパとの付き合いがより楽しいものになるでしょう。
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