FRP(繊維強化プラスチック)製のトランクフードは軽量で見た目もスポーティーなため、チューニングカーやドレスアップカーで人気の高いパーツです。しかし経年変化や紫外線、熱によって素材が反ってくるという悩みを抱えるオーナーも少なくありません。本記事では、FRPトランクの反りを矯正・防止するための補強方法や具体的な対応策について解説します。
なぜFRPトランクは反るのか?素材特性から解説
FRPはガラス繊維と樹脂で構成される複合素材であり、非常に軽量で加工性にも優れています。一方で、長時間の熱や紫外線への暴露、湿気により、樹脂が劣化・収縮しやすくなり、反りや歪みが生じることがあります。
特に大型の平面パネル(例:トランクフード)は外部ストレスを受けやすく、取付部や中央部に応力が集中し、歪みが進行する傾向があります。
矯正対策に有効な補強材|薄型金属ステーの活用
FRPの反りを抑えるためには、裏側に金属ステーを取り付けてテンションをかける方法が効果的です。具体的には、アルミやスチール製のL字アングルやフラットバーを活用し、両端に強力なリベットやボルトで固定します。
重量増は1~1.5kg程度と軽微で、ドライカーボンなどに比べればトレードオフとしては十分実用的といえます。
接着方法と固定箇所の注意点
金属ステーを貼り付ける際は、耐振動・高強度タイプのエポキシ系接着剤やリベットによる機械的固定が推奨されます。FRP表面は油分やワックスが残っていることが多いため、脱脂や足付け作業(サンディング)を丁寧に行うことで密着性が高まります。
取り付け位置はトランクの長辺の端から端まで、あるいは中央を通す形で複数本にすることで、全体の歪みを均一に抑えることができます。
他車の実例|補強による歪み対策成功例
某サーキット走行ユーザーの例では、S13シルビアのFRPトランク裏に厚さ3mmのアルミフラットバーを左右2本取り付け、熱による中央の浮きがほぼ解消されたとの報告があります。
また、ドリフトユーザーでは、溶接不要のボルトオンステーを設けることで、再塗装後の塗膜割れリスクも抑えることに成功しています。
補強以外の対策方法
補強のほかにも、断熱シートの貼付けや保管時の直射日光回避といった対策も有効です。特に夏場の屋外駐車では、日除けや車体カバーを使って紫外線の影響を極力減らすことが求められます。
また、FRPの経年劣化が進行している場合は、再塗装やガラスクロスの積層補修を検討するのも選択肢のひとつです。
まとめ|少しの重量増で長く美しく保てるなら補強は「あり」
FRPトランクの反りは、長年の使用や環境要因によって避けがたい現象ですが、1kg程度の軽微な重量増で補強できるのであれば、実用性と美観維持の両立が可能です。
DIYでの対処も十分可能なため、必要な素材と工具を揃えて挑戦してみる価値は大いにあります。しっかりと補強することで、愛車の美しさと剛性を長く保つことができます。
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