ライブディオZX規制後が70km/hで頭打ちになる原因は?WR42g・CDI・プーリー・吸排気セッティングを解説

カスタマイズ

規制後のライブディオZX(AF35系)をCDI、ハイスピードプーリー、チャンバーなどで変更したものの、最高速が70km/h前後で伸びなくなる場合、ウエイトローラー(WR)の重量だけを原因と決めつけるのは早計です。

例えばWRを5g×3個・9g×3個とした場合、合計重量は42g、1個当たりの平均は7gです。しかしCVTは「合計42gだから重い・軽い」と単純には判断できず、エンジンが力を出せる回転域、プーリーの変速量、ベルト幅、センタースプリング、吸排気、キャブレターセッティングなどを総合して考える必要があります。

70km/hで頭打ちという症状だけでは、WR42gが重すぎるとも軽すぎるとも断定できません。最高速を伸ばしたい場合は、まず「エンジンが回らないのか」「回転だけ上がって速度が伸びないのか」を切り分けることが重要です。なお、公道では原付一種の法定速度など交通法規を守り、最高速確認やセッティングは安全が確保された適切な環境で行う必要があります。

WR5g×3・9g×3は平均7gだが重量だけでは判断できない

5gを3個、9gを3個使用すると合計42gとなり、6個平均では7gです。一般的なCVTでは、WRを重くすると遠心力によって比較的低い回転数から変速が進みやすくなり、軽くすると高回転を維持して変速する方向になります。

しかし「軽いWRほど速い」「重いWRほど最高速が出る」というものではありません。軽すぎればエンジン回転ばかり上がってプーリーが十分に変速しない場合があり、重すぎればエンジンがパワーバンドへ入る前に変速が進み、加速も最高速への伸びも鈍くなる場合があります。

したがって42gという数字だけを見るのではなく、全開加速中のエンジン回転と速度の変化を見る必要があります。タコメーターがあると判断しやすくなります。

70km/hで「回転だけ上がる」ならWRが軽すぎる可能性

全開で加速した際、70km/h付近からエンジン音や回転数はかなり上がるのに車速だけが伸びない場合は、CVTが最も高速側まで変速できていない可能性を確認します。その一因としてWRが軽すぎるケースがあります。

この場合、WRを少しずつ重くして変速を進めることで改善する可能性があります。ただし一気に大幅変更するのではなく、平均重量を小刻みに変え、同じ条件で回転数と加速の変化を比較するほうが原因を判断しやすくなります。

同時にハイスピードプーリーの外周までベルトが上がっているかも重要です。プーリーフェイスへマーキングして走行後の消え方を確認する方法があります。外周付近まで使えていなければ、WR以外にもボス長、ランププレート、ベルト、センタースプリングなどを確認する必要があります。

逆に回転が上がらずモッサリするならWRが重い可能性

70km/hへ到達する前からエンジン回転が低く、アクセル全開でも「回り切らず苦しそう」という状態なら、WRが重すぎて早く変速しすぎている可能性があります。

2ストロークエンジン、とりわけ排気系を変更した車両では、エンジンが十分な出力を発生する回転域とCVTの変速特性を合わせることが重要です。スポーツチャンバーを装着して高回転側に出力特性が移っているのに、WRが重く低回転で変速してしまえば、そのチャンバーの特性を生かせません。

このケースならWRを軽くする方向が候補になります。つまり同じ「70km/hで止まる」という結果でも、回転数が高すぎる場合と低すぎる場合では対策が正反対になります。

5gと9gの混在より同重量6個で基準を作ると分かりやすい

異なる重量のWRを交互に配置して平均重量を作る方法自体はあります。しかしセッティングを煮詰める段階では、重量差の大きい5gと9gを混ぜるより、まず同じ重量のWRを6個使用して基準を作ると変化を把握しやすくなります。

例えば現在の平均値は7gなので、まず同一規格の7g×6個を基準にし、そこから6.5g、7.5gなど適合する範囲で小刻みに比較する考え方です。実際に使用できる重量やサイズは装着している横綱ハイスピードプーリーの仕様を確認してください。

WRは摩耗すると円形ではなく偏摩耗し、プーリー内を滑らかに移動できなくなる場合があります。重量調整以前に、WR、スライドピース、ランププレートなどが正常な状態か確認することも大切です。

最高速が伸びないときはベルト幅とプーリーを確認する

スクーターの最高速に大きく関係するのがVベルトです。ベルトが摩耗して幅が狭くなると、フロントプーリーの外周まで上がりにくくなり、実質的な最高変速比が低下します。

ハイスピードプーリーを装着していても、ベルトが摩耗していたり適合しない寸法だったりすれば、本来の変速幅を使い切れません。「ハイスピードプーリーを付けたのに最高速が変わらない」という場合に見落としやすいポイントです。

またドライブフェイス、プーリーボス、ランププレート、クラッチ側プーリーなどの組み合わせも影響します。中古車で以前の所有者が変更している可能性がある場合は、現在何が装着されているか一度整理したほうがよいでしょう。

MJ92・SJ38が正しいかは数字だけでは判断できない

パワーフィルターとスポーツチャンバーを装着すると、純正エアクリーナー・純正マフラーとは吸排気条件が変わります。そのためキャブレターのジェット調整が必要になる場合がありますが、MJ92・SJ38という数字だけを見て適正かどうかを断定することはできません。

特にパワーフィルターは吸気条件が変化しやすく、気温や湿度などによっても混合気の状態は変わります。燃料が薄すぎる状態で高回転・高負荷運転を続けると、2ストロークエンジンでは焼き付きなど重大な故障につながる危険があります。

最高速を出すためにジェットを薄くする、という方向で調整するのは危険です。プラグの状態だけに頼らず、エンジンの反応や燃料供給系、二次エアの有無などを含め、安全側からセッティングする必要があります。

CDI交換だけでは最高速が伸び続けるわけではない

デイトナのCDIなどへ交換して純正の制御条件を変更しても、それだけでエンジン出力やCVTの変速比が無限に増えるわけではありません。CDIは点火系の部品であり、最高速度はエンジン出力、変速比、最終減速比、タイヤ外径、空気抵抗など複数の要素で決まります。

そのため「CDIを交換しているから70km/h以上出るはず」という考え方は避けたほうがよいでしょう。エンジンのコンディションが低下していれば、周辺パーツを変更しても本来の性能は得られません。

デイトナも車種別の適合情報や取扱説明書を公開しています。装着しているCDIについても正確な品番を確認し、対象となるライブディオZXの型式・年式に適合しているか確認することが重要です。[参照:デイトナ]

「最近伸び悩んでいる」ならセッティングより整備を先に疑う

以前は同じ仕様でもっと伸びていたのに、最近70km/h付近で頭打ちになったという意味であれば、WRの重量設定より先に消耗や故障を疑うべきです。設定を変更していないのに性能だけ低下したなら、セッティング値が突然変わったわけではないからです。

確認候補として、Vベルトの摩耗、WRの偏摩耗、プーリーやスライドピースの摩耗、クラッチ側の動作、点火プラグ、エアフィルター、キャブレター、燃料供給、マフラー内部の詰まり、圧縮低下などがあります。

特に年数の経過した2ストローク車では、圧縮や吸排気系の状態が最高速へ大きく影響します。チューニングパーツを追加する前にエンジンと駆動系を正常な状態へ戻すことが、結果として一番効果的な場合もあります。

まとめ:WR42gだけで重すぎ・軽すぎとは判断できない

規制後ライブディオZXで、WR5g×3・9g×3なら合計42g、平均7gです。しかし、70km/hで頭打ちになるという情報だけから「42gは重すぎる」「軽すぎる」と断定することはできません。

70km/h付近で回転数ばかり上がるなら、WRが軽すぎて最高変速まで進んでいない可能性やベルト・プーリー側を確認します。反対に回転が上がらず力のない状態なら、WRが重すぎてパワーバンドへ入れていない可能性があります。タコメーターで回転数を確認すると切り分けが格段に容易になります。

また「最近」最高速が低下したのであれば、まずVベルト、WR、プーリー、圧縮、キャブレター、点火系などの整備状態を確認するのが先です。5gと9gの混在状態から調整するなら、同重量6個で基準を作って一項目ずつ比較すると原因を追いやすくなります。公道では原付一種に適用される交通法規を守り、速度確認やセッティングは安全を確保できる適切な環境で行うことが前提です。

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