チェーンやスプロケットを新品交換したにもかかわらず、走行中や停車中にチェーンがブルブルと暴れる症状が発生することがあります。特に1980年代の旧車では、駆動系以外の部品が原因になっているケースも少なくありません。この記事では、ホンダVT250FEを例に、チェーンの暴れや振動が発生する原因と点検方法について解説します。
チェーン・スプロケット新品でも暴れることはある
チェーン、前後スプロケット、ハブダンパー、ホイールベアリングを新品交換していても、チェーンの振動が完全になくなるとは限りません。
特に停車中に1速へ入れ、クラッチを握っている状態でもチェーンが振動する場合は、単純なチェーン摩耗以外の原因を疑う必要があります。
新品部品へ交換済みの場合は、エンジン側やミッション側の振動伝達を重点的に確認することが重要です。
まず確認したいチェーン調整とアライメント
意外と多いのがチェーン張り過ぎや左右のアライメント誤差です。
チェーンは張り過ぎると振動を吸収できず、停車中や低速時に暴れやすくなります。
またスイングアームの目盛りだけで調整すると左右差が発生している場合もあります。
| 確認項目 | チェック内容 |
|---|---|
| チェーンたるみ | サービスマニュアル規定値内か |
| ホイール位置 | 左右均等か |
| スプロケット芯出し | 前後一直線か |
レーザーアライメントツールや糸を使用して確認するとより正確です。
VT250FEで多いエンジン側の原因
停車中にクラッチを握っていてもチェーンが振動する場合、一次減速系やミッション内部のガタが影響していることがあります。
VT250FEは発売から40年以上経過しているため、カウンターシャフト周辺のベアリングやオイルシールの摩耗も考えられます。
ただし、カウンターシャフト自体の振れ測定で異常が確認できない場合は、ベアリング単体の摩耗だけが原因とは限りません。
エンジン内部のギアバックラッシュやクラッチハウジングのダンパースプリング劣化によっても振動が発生することがあります。
クラッチ周辺の点検も重要
クラッチを握っているにもかかわらずチェーンが小刻みに動く場合は、クラッチの完全分離ができていない可能性があります。
以下の項目を確認してみましょう。
- クラッチワイヤーの遊び
- クラッチ板の摩耗
- クラッチハウジングの段付き摩耗
- クラッチダンパースプリングの劣化
特に年式の古い車両ではクラッチバスケットの摩耗によるジャダーが発生している場合があります。
エンジンマウントや振動特性の可能性もある
Vツインエンジンは構造上、一定の回転域で駆動系に脈動が発生します。
エンジンマウントブッシュの劣化や固定ボルトの緩みがあると、その振動がチェーンへ伝わりやすくなります。
チェーンの暴れに見えても、実際にはエンジン振動が原因であるケースもあります。
停車状態で回転数を変化させ、どの回転域で症状が強くなるか確認すると診断の参考になります。
まとめ
VT250FEでチェーン、スプロケット、ハブダンパー、ベアリングを新品交換済みであっても、チェーンの暴れが発生することはあります。まずはチェーン調整やアライメントを再確認し、そのうえでクラッチ周辺、カウンターシャフトベアリング、ミッション内部、エンジンマウントなどを点検するのがおすすめです。停車中にクラッチを握った状態でも症状が出る場合は、駆動系以外の振動要因が関係している可能性が高いため、総合的な診断が必要になるでしょう。


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