1980年代のホンダ250ccオフロードバイクを振り返ると、XL250SとXLR250Rの間に「XLX250」という名前のモデルがあった記憶を持つ人もいるでしょう。その記憶はほぼ正しく、実際にホンダから「XLX250R」というモデルが発売されています。
XLX250Rは1983年に登場した250ccクラスのデュアルパーパスモデルです。XLシリーズから、後に主力となるXLRシリーズへ移っていく時期に登場したモデルで、ホンダのオフロード車の歴史を理解するうえでも興味深い存在です。
正式な車名は「XLX250R」で、「XLX250」では末尾のRが抜けています。そのため昔の記憶で「XLX250というバイクがあったはず」と思って検索しても、少し見つけにくいことがあります。
XLX250Rは1983年に実際に発売されている
ホンダの公式ニュースリリースによると、XLX250Rは1983年4月15日に発売されました。ホンダは当時、オンロードからオフロードまで幅広く楽しめるスポーツバイクとして発表しています。[参照:Honda 1983年 XLX250Rニュースリリース]
搭載されたのは空冷4ストローク単気筒249ccエンジンです。最高出力は26PS/8,500rpm、最大トルクは2.2kg-m/7,500rpmと公表されていました。
特徴的なのがRFVCと呼ばれる燃焼室・バルブ機構です。4バルブを放射状に配置する構造を採用し、ホンダは高い吸排気効率を狙った新設計エンジンとして紹介していました。
XL250Sから直接XLR250Rになったわけではない
ホンダの250ccオフロード車の歴史を大まかに見ると、「XL250Sの次がすぐXLR250R」という単純な流れではありません。その間には複数のモデルが存在します。
XL250Sは1978年に発売されました。ホンダの公式発表では、4ストローク単気筒248ccエンジンを搭載し、前輪に23インチの大径タイヤを採用していたことが大きな特徴です。[参照:Honda 1978年 XL250Sニュースリリース]
その後、1981年にはXL250Rが登場します。こちらはプロリンク式リアサスペンションなどを採用したモデルでした。[参照:Honda 1981年 XL250Rニュースリリース]
そして1983年にXLX250Rが登場します。つまり、名称だけを簡略化して流れを見るなら「XL250S → XL250R → XLX250R → XLR系」という理解が分かりやすいでしょう。
XLX250Rはどんなバイクだったのか
XLX250Rの大きな特徴は、当時のホンダが新たに開発したRFVCエンジンです。排気量249ccの空冷4ストロークOHC単気筒で、4バルブを放射状に配置していました。
車体についてもオフロード走行を重視した設計で、フロントには21インチ、リアには17インチタイヤを採用。乾燥重量は118kgと公表されています。
| 主な項目 | XLX250R |
|---|---|
| 発売 | 1983年4月 |
| 排気量 | 249cc |
| エンジン | 空冷4ストロークOHC単気筒・RFVC |
| 最高出力 | 26PS/8,500rpm |
| 最大トルク | 2.2kg-m/7,500rpm |
| 変速機 | 6速 |
| 乾燥重量 | 118kg |
| 前輪 | 3.00-21 |
| 後輪 | 4.60-17 |
現在の感覚ではシンプルな空冷単気筒車ですが、1983年当時には新しいエンジン技術を投入した本格的な250ccオフロードモデルでした。
XLX250RとXLR250Rは名前が似ているが別のモデル
記憶が混同されやすい理由の一つが「XLX250R」と「XLR250R」という非常によく似た車名です。しかし、この2台は同一モデルではありません。
ホンダは1985年にXLR250Rを発売しています。公式発表では、新設計の空冷4サイクル単気筒RFVCエンジンを搭載し、最高出力28PS/8,500rpm、乾燥重量113kgとされていました。[参照:Honda 1985年 XLR250Rニュースリリース]
つまりXLX250Rは、1980年代前半のXL系と、その後長く知られることになるXLR250Rとの間をつなぐような位置にあるモデルと見ることができます。車名のアルファベットが一文字違うだけなので、数十年経つと「XLXだったかXLRだったか」と記憶が曖昧になるのも不思議ではありません。
年代順に並べると記憶が整理しやすい
今回の時代に関係する代表的なホンダ250ccオフロードモデルを年代順に整理すると、次のようになります。
| 発売年 | 車名 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 1978年 | XL250S | 23インチ前輪を採用したXLシリーズ |
| 1981年 | XL250R | プロリンク式リアサスペンションなどを採用 |
| 1983年 | XLX250R | RFVC・4バルブの新設計エンジン |
| 1985年 | XLR250R | XLRシリーズへ発展、新設計RFVCエンジン |
こうして並べると、XLX250RがちょうどXL250RとXLR250Rの間に存在していたことが分かります。「XL250SとXLR250Rの間にXLX250がなかったか」という記憶は、かなり核心を突いています。
ただし厳密にはXL250Sの直後がXLX250Rだったわけではなく、その間にXL250Rがあります。この点まで押さえておくと、ホンダの250ccオフロード車の変遷がより分かりやすくなります。
なぜXLX250Rの印象が薄くなりやすいのか
XLX250Rは実在するモデルですが、その後のXLR250Rという名称のほうを強く記憶しているライダーも少なくありません。XLRの名称は後年のモデルでも使用されたため、中古車や旧車の話題でも目にする機会があります。
一方のXLX250Rは1980年代前半という限られた時代を象徴する車名です。そのため「昔ホンダにXLXという250ccがあった気がする」という記憶になりやすいモデルでもあります。
中古車を探す場合には「XLX250」だけではなく、正式名称のXLX250Rで検索すると情報を探しやすくなります。40年以上前の車両になるため、購入を検討する際は車体価格だけでなく部品供給、エンジンやキャブレター、電装系、足回りなどの状態も慎重に確認する必要があります。
まとめ:XLX250Rは実在し、1983年に発売されたホンダの250ccオフロード車
ホンダには「XLX250R」という250ccオフロードバイクが実際に存在します。1983年4月に発売された空冷4ストローク単気筒モデルで、RFVC方式の4バルブエンジンを採用していました。
歴史を大まかに整理すると、1978年のXL250S、1981年のXL250R、1983年のXLX250Rを経て、1985年にXLR250Rが登場しています。そのためXLX250Rは、まさにXL系からXLR系へ移っていく1980年代のホンダ・オフロード車を語るうえで欠かせない一台です。
「XLX250というバイクがあった」という記憶はほぼ正解で、正式名称の末尾に「R」を付けたXLX250Rが探しているモデルと考えてよいでしょう。


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