チェーンソーのキャブレターにある「LA」と「T」スクリューの意味と役割を徹底解説

車検、メンテナンス

チェーンソーなどの小型エンジン機器にはキャブレターの調整スクリューが複数あります。その中で「LA」や「T」と表記されているスクリューは、エンジンの性能や安定性に直結する非常に重要なパーツです。本記事では、それぞれの略称の意味や調整方法、注意点について具体的に解説します。

キャブレターにおける調整スクリューの基本

多くの2ストロークエンジン用キャブレターには以下の3種類のスクリューがあります。

  • H(High):高回転側の燃料混合比を調整
  • L(Low):低回転側の燃料混合比を調整
  • TまたはLA:アイドリング回転数の調整

それぞれが果たす役割を理解することで、エンジンを最適な状態に保つことができます。

「T」スクリューの意味と由来

「T」は通常「Throttle(スロットル)」の略とされており、スロットル開度を調整してアイドリング回転数を制御するためのスクリューです。

このスクリューを締め込むとスロットルバルブが少し開き、アイドリング回転数が上がります。逆に緩めるとバルブが閉じて回転数が下がります。

海外の整備マニュアルでも「Throttle stop screw」と記載されることが多く、Tの意味を裏付けています。

「LA」スクリューの正体と意味

「LA」はメーカーによって表記が異なるものの、一般的にはLow AirまたはLow Adjustmentの略とされています。こちらもTスクリューと同じくアイドリング調整用として機能します。

特にドイツ系や欧州メーカー(STIHLなど)では「LA」の表記が多く使われており、これは「Leerlauf-Anpassung(ドイツ語でアイドリング調整)」に由来するという説もあります。

調整時の具体的な手順

キャブレターの調整は必ずエンジンが暖まった状態で行うのが基本です。

  • 1. まずLとHを工場出荷設定に合わせる(通常1〜1.5回転戻し)
  • 2. LA/Tスクリューを回して、エンジンが安定して回る回転数に調整
  • 3. 高すぎず低すぎない範囲で調整し、チェーンが動かないことを確認

※LA/Tスクリューだけでエンジン出力を調整しようとするのは誤りです。燃料混合のH/Lとのバランスが重要です。

LAとTの違いはある?

実質的に機能は同じであり、表記の違いは主にメーカーや設計思想の違いによるものです。

たとえば、STIHLやHusqvarnaでは「LA」、国産チェーンソーでは「T」と表記されていることが多いです。同一機能であり、どちらもアイドリング調整に使うスクリューです。

まとめ:キャブレター調整でエンジン性能を最大限に

チェーンソーのキャブレターにある「LA」および「T」スクリューは、どちらもアイドリング回転数を調整する重要なスクリューであり、それぞれ「Throttle」や「Low Adjustment(またはAir)」を意味しています。

表記に惑わされず、各スクリューの役割と調整方法を正しく理解すれば、安全で効率的なチェーンソー作業が可能になります。作業前にはマニュアルの確認もお忘れなく。

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