長期間放置していたスクーターが突然エンジン始動しない。特にスズキ・アドレスV100(CE13A)などの2スト車では、点火系のトラブルが起こることがあります。セルは元気に回るのに火花が出ないという場合、その原因は単純なパーツの劣化や配線トラブルかもしれません。本記事では、火花が出ない時に考えられる原因とその具体的な対処法を解説します。
プラグやイグニッションコイル以外で疑うべき部品
プラグやコイルを新品に交換しても火花が出ない場合、次にチェックすべきはCDI(キャパシタディスチャージイグニッション)です。CDIは点火タイミングを制御する重要な部品で、劣化すると点火しなくなります。
CDIが故障している場合、外観では判断できないため、同型車の正常品との交換テストが有効です。特に社外CDIを装着している場合は、純正CDIで一度試してみることをおすすめします。
サイドスタンドスイッチやキルスイッチの誤動作
多くのバイクには安全装置としてサイドスタンドスイッチやキルスイッチがついており、これが故障または誤作動していると火花が飛ばなくなります。スタンドを上げても接点が接触していなければ回路が遮断されたままとなります。
接点復活剤を使ってスイッチの清掃や、断線していないか導通テストを行うことで原因を特定できます。
ピックアップコイルやステーターコイルの断線
CDIへ回転信号を送るピックアップコイルや、発電と点火に関係するステーターコイルもチェックポイントです。特にステーターの発電不良は、バッテリーが生きていても点火に必要な電圧が不足している場合があります。
マルチメーターで抵抗値を測定し、サービスマニュアルの規定値と比較して判断してください。焼けや断線があれば要交換です。
アース不良・配線断線も要注意
見落としがちですが、点火系回路のアース不良も火花が出ない原因になります。フレームとイグニッションコイル間のアース線を確認し、腐食や断線がないか点検しましょう。
また、ハーネス途中のギボシ端子が抜けかけていたり、端子が腐食して電気が流れていない場合もありますので、すべての接続部を触って確認すると効果的です。
セルは回るのに火花が出ないときの診断フロー
以下は実際の診断例です。
- プラグ → 新品に交換 → NG
- コイル → 新品に交換 → NG
- CDI → 交換して点火確認 → OK(原因はCDI)
このように、一つずつ順に潰していく作業が重要です。
まとめ:点火系トラブルは冷静に原因を切り分けよう
アドレスV100のような年式の古い車両では、イグニッション系のトラブルが起きやすくなっています。特にCDIやピックアップコイル、アースの接触不良など、プラグやコイル以外の原因にも目を向けることが大切です。
DIYで整備する際は、サービスマニュアルを参照しながら一つずつ原因を確認していきましょう。整備に自信がない場合は、バイクショップに相談するのも安全な方法です。
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