エンジン発電機が始動後すぐ停止し、その後かからないというトラブルは、使用環境を問わずよくある現象です。特にヤマハMZ300を搭載するegw160m-iのような空冷単気筒エンジンでは、キャブレターや燃料系トラブルが起きやすく、メンテナンスの経験や知識がトラブル解決の鍵になります。
一時的に始動するがすぐ止まる現象のメカニズム
キャブレタークリーナーを吹き込むと一瞬だけ始動し、その後停止する――これは典型的な「燃料供給不良」の症状です。エンジンが回ったということは、点火系や圧縮には問題がない可能性が高く、燃料が燃焼室まで継続的に届いていないことが原因と考えられます。
つまり、キャブレター清掃で初期の燃料通路は一時的に通るが、その後タンク〜キャブレターへの燃料供給が途絶えている可能性が大です。
燃料タンク・フィルター・ホースを要チェック
まず確認すべきは、燃料タンクからキャブレターへの通路です。次の点を点検しましょう。
- 燃料ホースが潰れていないか、ひび割れていないか
- タンクからの燃料がスムーズに流れているか(コックが詰まっていないか)
- 燃料フィルターが目詰まりしていないか
特に古いガソリンやタンク内の錆、長期保管後のガム化した燃料が原因で、フィルターやコックが詰まることがあります。
キャブレター清掃で見落としがちなポイント
キャブレター本体を清掃したとのことですが、次のような部分の清掃が不完全だと燃料が十分に吸い込めません。
- パイロットジェット(スロー系)が詰まっている
- フロートバルブが固着して燃料がキャブ内に供給されていない
- フロート室にゴミや水が残っている
清掃時は、ジェット類を外してパーツクリーナーで通気確認を行い、穴という穴をすべて目視で確認することが重要です。
燃料がキャブに届いているか簡易確認する方法
・フューエルホースをキャブから外し、タンクコックを開けて燃料が出るかを確認
・キャブレター下部のドレンボルトを緩めて、フロート室にガソリンが溜まっているかをチェック
・キャブレターを軽くゆすって「チャプチャプ」音がすれば最低限溜まっている証拠
これらを行って燃料が出てこない場合は、燃料ラインまたはタンク側の詰まりを疑いましょう。
点火・圧縮の問題の可能性は?
セルは回り、キャブクリーナーで一瞬かかるという状況であれば、点火プラグは基本的に生きていると考えられます。ただし、万が一に備えてプラグの点検・交換や、プラグコードの接続確認もおすすめします。
・プラグがかぶっていないか(黒く湿っている)
・スパークがしっかり出ているか
・プラグキャップが緩んでいないか
まとめ:症状は典型的な「燃料供給系トラブル」
egw160m-iに搭載されたMZ300が「一瞬かかってすぐ止まる」状態は、キャブレターまたは燃料ラインの詰まりが主原因である可能性が極めて高いです。
再度、キャブの全ジェットの通りと、タンク→キャブの燃料流れを重点的に見直しましょう。それでも解決しない場合は、燃料ポンプ付きのモデルであればポンプの動作もチェック対象になります。
焦らず、燃料・空気・火花の基本に立ち返って確認を進めてください。
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